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令和2年度決算特別委員会(第7日) 本文 開催日:2021年11月15日
令和2年度決算特別委員会(第7日) 名簿 開催日:2021年11月15日

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  1. 佐賀県議会 2020-11-15
    令和2年度決算特別委員会(第7日) 本文 開催日:2021年11月15日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時 開議 ◯岡口委員長=これより委員会を開催いたします。  本日は農林水産商工常任委員会関係の質疑を行います。  通告に従い、順次発言を許可します。 2 ◯藤崎委員=おはようございます。藤崎輝樹と申します。よろしくお願いします。  初めに、「さが園芸生産888億円推進事業」について質問させていただきたいと思います。  農政のプロの西久保委員や定松委員がおられる場所で、農業についてはなかなか現場を熟知していない立場で質問するのも非常にやりにくうございますけれども、一点思うのは、執行部におかれてはよく現場のほうに出向いていただき、現状を踏まえて、令和二年度のコロナ時においても大変厳しい生産者の実情を踏まえて、タマネギであったり、花卉であったり、しっかりと支えていただいたと。また、かつ幾度となく重なる災害時においても、国の支援を受けられないところについても、県において独自に制度を設けて、基盤整備等の普及、また、改良に向けて取り組んでいただいているということを、まずもって感謝の気持ちを持って評価したいというふうに思っております。  そういう中で、「888」、県はこのシールも作って取り組んで、(実物を示す)こういう感じです。私もたまにはパネルを持ちたかったんですが、ちょっとパネルは作れないけん。しっかり県も取り組んでいただいておりますけれども、やはり数字が八百八十八億円と非常に語呂がよく、生産者の方と話すと、ぜひそがんなったらよかねということで、希望を持って、期待を持って話をしていただいております。  ただ一方で、まだまだ周知というものがもっと足らないのではないかと。というのは、生産者も当然大規模、兼業、いろいろおられまして、自らがこの八百八十八億円の担い手として貢献していくんだと。つまり、食料自給率を高めて、経済を循環させていく一助として県に貢献していくんだと、そういう主体的な部分を皆さんがひとしく持っていただいているかというと、まだまだそこまでいっていないんじゃないかと。もちろん大変ですので、目の前のことを一生懸命やっておられるという面もあるので、なかなかそう簡単にはいかないというふうにも思っております。  何よりも八百八十八億円という数字、最初出されたときは非常に高い志を持って取り組まれたなというふうに感じました。やはり目標は高く取り組むというのはいいことですけれども、一方で、それに追いつくだけの基盤であったり、何よりも人ですよね、生産者。大体がこの二十年間で半減してきているというような中で、そういう大きな厳しい環境、流れの中で逆に売上げを伸ばしていくということは、生産性を上げる、もしくは新規就農者であったり後継者をしっかり育てていく。もちろん基盤を守り、かつ技術でもってカバーをしていく。根域制限栽培であったりとか、そういった形でより生産性を上げていく、コストのいいもの、品質のいいものを作っていく、そういうことが大事なんだろうというふうに思っております。  ただ、言うのは簡単で、実際にそれに取り組んで結果を出すというのは、これは並大抵のことではないと。なぜかというと、いわゆる工場の中で流れ的に作っていくものであれば計画性を持ってやっていけますけれども、天候の下、自然を相手に生産をしていくということは、これはまさに災害がそうでありましたけれども、気候、また気温や湿度、そういったいろんな変わる天候の中で安定した生産をしていくというのは、本当に並大抵のことではないだろうと。そういう意味では、普及センター技術指導員の皆さんにも期待をするわけでありますけれども、そういった観点におきまして、この「さが園芸生産888億円推進事業」については、これに非常に大きな期待をしております。  そういった意味で、何点かこの件について質問させていただきます。  初めに、改めてであります、どのような目的でもって実施をされているのか、この際伺っておきたいと思います。 3 ◯南園芸課長=それでは、「さが園芸生産888億円推進事業」の目的についてお答えいたします。  令和元年度から展開しております「さが園芸888運動」では、生産部会等ごとに販売額の目標や行動計画などを定めた「園芸産地888計画」を策定いたしまして、その目標達成に向けた取組を推進しております。  この事業は、「園芸産地888計画」の取組を進め、革新技術を導入した先進的経営を行う農家の育成や、意欲ある新規就農者の確保、育成、それから、規模拡大を行う農家の育成を行うことによりまして、地域の園芸農業の産出額の向上を図ることを目的としているところでございます。  以上でございます。 4 ◯藤崎委員=佐賀県の生産があって、その中で園芸は結構大きく占めておりますけれども、そこをさらに伸ばしていくというのは、なかなか簡単ではなかろうというふうにも思うわけであります。  そういった中で、本事業におきましては、園芸農家に対して具体的にどのような支援を行っているのか。また、令和二年度の事業実績についてもお尋ねをしておきます。 5 ◯南園芸課長=それでは、事業の支援内容及び令和二年度の実績についてお答えいたします。
     本事業につきましては、収益性の高い園芸農業を実践いたしまして、稼げる生産農家の育成を図るため、ハード、ソフトの両面から支援を行っているところでございます。  事業の支援内容として、まずハード面では、飛躍的な収量、品質の向上などが可能となる革新的技術の導入を支援する先進的モデル経営体育成タイプ、それから、新規就農者経営開始等を支援する新たな園芸農業者育成タイプ、それから、所得向上に向けた収量、品質の向上、低コスト化等を支援する経営力向上志向経営体育成タイプ、この三つに区分いたしまして、農家が行う施設、機械等の整備に対し支援を行ってきたところでございます。  令和二年度の実績といたしましては、まず、先進的モデル経営体育成タイプでは、イチゴ高設栽培施設、あるいは果樹の根域制限栽培施設、ブロッコリーの集出荷に必要な製氷機などを整備した十五事業実施主体に対しまして、補助金約一億一千万円を交付。それから、新たな園芸農業者育成タイプにつきましては、新規就農者経営開始に必要なハウスや野菜の収穫機などを整備した五十一事業実施主体に対し、補助金約二億七千七百万円を交付。それから、経営力向上志向経営体育成タイプでは、規模拡大のためのハウスの増設やタマネギの定植機などを整備した九十一事業実施主体に対し、補助金約一億六千四百万円を交付したところでございます。  また、ソフト面では、農家が行う施設栽培環境制御技術の習得に向けた研修会の開催、それから、露地野菜の新規作付や生産拡大に向けた取組、高品質茶生産技術の確立に向けた展示圃の設置などに対しまして支援を行いまして、その実績は二十四事業実施主体に対し、補助金約一千八十万円を交付したところでございます。  以上でございます。 6 ◯藤崎委員=結構しっかりと事業を推進していただいているというふうに思うわけですけれども、八百八十八億円につなげていくための支援をやっていただいていますけど、自然を相手にやっている生産事業ですので、やはり計画的にはいかないというふうに思うんですね。  そもそも八百八十八億円の事業については、六百二十九億円であったものを十年かけて八百八十八億円にするということで、二百五十九億円、四〇%増にしていくということで、当初からこれは簡単じゃないと。もちろん、そうやってしっかりと志を持って取り組まなければいけないということで、そこは評価していますけれども、非常に簡単ではないというふうに思うわけであります。  なおかつ、災害があれば生産できませんし、天候の影響もありますし、また、景気の影響もあります。何よりも令和二年度はコロナということで、価格が下がったりして生産者は大変お困りのこともあったわけですけれども、ちなみに直近でいうと、先日厳しい数字が新聞に載っていたかと思うんですけれども、五百八十四億円だったですかね、ちょっとそこが分かれば教えていただきたいんですけれども。 7 ◯南園芸課長園芸産出額の直近の数字ということでお答えいたします。  令和元年まで出ておりますが、そのときの園芸産出額は委員おっしゃいました五百八十四億円ということで、平成二十九年の六百二十九億円からは下回っているような状況でございます。  以上、お答えいたします。 8 ◯藤崎委員=これは簡単じゃないというのは分かります。ちょっと今、手元にそこの推移が分かる資料があればお示しいただきたいんですけれども。 9 ◯南園芸課長園芸産出額の推移についてお答えいたします。  平成二十九年が六百二十九億円、それから平成三十年が五百八十五億円、そして令和元年が五百八十四億円ということで、前年から一億円下がったというような推移でございます。  以上、お答えいたします。 10 ◯藤崎委員=災害で基盤がやられたりとか、コロナがあって、大変な逆風があって、これを持ちこたえたというふうに評価をするのか、なかなか八百八十八億円という本来の事業目的からいうと後退してしまったというふうにみなすのか、これは現場の方の話を聞くと相当厳しいので、そこは何とか持ちこたえたというふうにみなさざるを得ないだろうというふうに思うわけであります。  ただ、そうはいっても、八百八十八億円という数字を目標にいろんな予算を費やしていくわけですから、投資効果という言葉はあまり好きではないんですけれども、やはり投資をするからにはしっかりとした結果を出していくといったことは当然求められていくわけであります。  今申し上げました災害であります。特に大きな災害が頻発しておりますので、こういった対策を併せて全庁挙げて取り組んでいく必要があるんだろうというふうに思うわけであります。  ちなみに、近年の気象条件の変化により大雨災害等が非常に多く起きております。今後は被害を未然に防ぐための取組も必要というふうに考えておりますけれども、どのようにお考えかお尋ねをいたします。 11 ◯南園芸課長=それでは、施設園芸農家の災害を防止する取組についてお答えいたします。  令和元年や今年八月の豪雨災害におきましては、県内の広い範囲で施設園芸が浸水、冠水いたしまして、作物の生育不良や枯死、それから、施設設備の故障など多大な被害が発生したところでございます。  委員御指摘のとおり、今後もこうした大雨災害の発生が予想され、被害を未然に防ぐ対策の実施が重要であることから、本年八月に「さが園芸生産888億円推進事業」の支援メニューを拡充いたしまして、まず園芸用ハウスの周囲への浸水防止壁排水ポンプの整備、それから浸水被害が発生しにくい場所へのハウスの移転に対して支援することといたしまして、現在、本年度の事業要望を取りまとめているところでございます。  以上でございます。 12 ◯藤崎委員=そこのハード整備においてもしっかりやっていただきたいし、やっぱりどうしても水は高いところから低いところに流れるわけですから、ある意味、大雨のときというのは、被害を受けるのは大体同じ場所と言うとちょっと失礼かもしれませんけれども、どうしても固定化されてしまう。そういう意味においては、生産者の方も大雨が降ると、地元消防団の協力を得たりしながら事前に土のうを積んだり、そういった努力はやっておられます。  ただ、なかなか厳しいので、ハード整備をしっかり進めていただきたいんですけれども、併せて河川があふれる、そういったときの水路の管理ですよね。クリークの管理もそうですけれども、もちろん広域にわたっての大雨の前の、ポンプアップして水の水位を下げていくというのはなかなか簡単じゃありませんけれども、農繁期の時期もあったりすれば、より一層そうですが、そういった管理、ソフト対策といったものも併せてぜひ考えていってほしいなと。  そういった努力を地域が、関係者がすることで、ある意味被害をもちろん少しでも抑えることができるし、何よりも毎回被害を受けている方というのは、言葉はちょっと強くなってしまいますけど、いわゆる犠牲という言葉はちょっと適切じゃありませんけれども、そこにしわ寄せが来ているわけですね。  つまり、例えば、遮水壁を造ったとします。そうすると、じゃその水はどこに流れていくんだろうかと。地域によっては、例えば、畑、アスパラを作っているハウスがありますと、そこに水が入らないようにしたら、高いところから低いところに流れていくので、集落、畑じゃなくて、それまでは大雨のたびにいわゆる貯水池の役割を担っていた、そこで被害を食い止めていた農地ではなく集落に水が流れるようになってしまうと、そうすると、集落の水路が小さいと、逆に言うと地域の集落が困ってしまうというふうな、本当にいかんともしがたい難しい課題、問題が至るところ県内にあります。  そういう意味では、決してハード事業というものも簡単ではありませんけれども、ただ、答えがなかなか見つからない中であっても、問題をきちんと把握していただいて、そして寄り添っていただく。つまり、極端な話、集落を守るためには畑に犠牲になってもらわんばいかんと、どうしてもそっちに水を流し込まざるを得ないと、もしそういうふうな実情があったとすれば、本当はそうあったらいけないんですけれども、どうしても仕方がない、でも生産者になると、つらかですよね。だって、それでは生産が本当に厳しくなってしまう。経営に大きな影響を与えてしまう。そうすると、そういった事案がある場合は、特別ですから、やっぱり個別対応に、県単事業でそういった対策をやっていくとか、何らかの対応というものを取り組んでいく。もちろん市町の協力を得ながらですけれども、そういう生産者の感情、気持ちに寄り添った支援というものもぜひ考えていっていただきたいというふうに思います。  水の問題は農林関連にとどまらず、佐賀県の今大きな課題ですので、ここだけで決まることじゃありませんけれども、大雨のたびに被害を受けている生産者の方、本当に物すごくつらい思いをされて、今度の大雨のときは、本当に怒りが頂点に達しておられる方もありました。そういう意味では、その怒りはしっかり行政のほうで受け止めていただきまして、気持ちを酌んでいただきまして、それだけでも気持ち的には非常に違ったと思うんですね。自分たちがどれだけつらい思いをしているのか分かってもらったというだけでも違うと思います。ただ、その次の対策、これをぜひ一緒になって考えて、取り組んでいっていただきたいと、切に思っております。  そういった中で、園芸農業を振興するというのは、理想と現実の狭間に課題があるわけでありますけれども、課題となっていることはどんなことかお尋ねをしておきます。 13 ◯南園芸課長=それでは、園芸農業振興の課題についてお答えいたします。  生産農家の高齢化による産地の縮小や、ハウス骨材や燃油などの生産資材の高騰、それから園芸作物の作付に適した農地の確保が難しいなどといった近年の園芸農業を取り巻く厳しい情勢の中、今後、本県園芸農業の振興を図っていくための課題といたしましては、まず意欲ある若手農家の経営規模拡大新規就農者等の担い手の確保による産地の拡大、それから生産コストの低減や収量、品種の向上による所得の確保、それから農地の集積や基盤整備による園芸用地の確保、創出などがございます。  以上でございます。 14 ◯藤崎委員=今示していただいた、まさにそのとおりなんですけれども、その中で一点お願いしたいのは、新規就農、佐賀はトレーニングファームという画期的な事業も取り組んでいただいて、着実に就農者に技術指導が行き渡ってきております。また、そういった方々が意欲を持って、その地域に住んで、一石二鳥、三鳥の効果というものを生んでいるということで、全国的にも注目されている事業だというふうに評価をしております。  あわせて、私たちは生産者といろんな意見交換する場が多くありますけれども、その中で一番聞くのは、既に生産をされてある方が言われるのは、新規就農者で増やしていくということも大事ですけれども、本来であれば、やはり後継者、つまり自分の後継者に、しっかりと地域を守り、そして地域に貢献するために帰ってこいというふうに言いたい、しかし、それがなかなかできない状況にある。というのは、やっぱり一番は安定していないわけですね、農業というのは。  例えば、物すごく規模拡大をして、非常に大きな生産をしている方も、年によっては大きく落ち込んでしまう、また言われたように、コストが高くなったりとか、人、雇用の面に苦労したりとか、つまり、大規模の生産者であっても決して安定をしていない。これはもちろん小さいところになるとなおさらそうでありますけれども、やっぱりこの安定という部分がどうしてもネックとなって、違う仕事になりがちだというふうに思うんですね。ですから、そういう意味では、新規就農者もそうですけれども、併せて、例えば後継者への支援、こういったところもぜひ手厚く、しっかりと取り組んでいっていただきたい。もちろん、こう言うと、いや、やっていますとなりますけれども、これは実はまだまだ足らないというのが話をしていて感じているんですね。  というのは、生産者の方は、新規就農の支援も大事だと分かっておられますので、そのこと自体はいいと言われますけれども、併せて地域を守っていこうという若い人たちに対しても支援というものをしっかり考えてほしいと、継続していくために考えてほしいと。  どうしても一つの世帯でやっていくとなると、行政としてなかなか支援が難しいところもあるのかもしれませんけれども、やっぱりそこは後継者としてやっていくということで、地域の担い手、また食料自給率を上げていく、命に関わる非常に大事な、地域の安全に関わる保障ですので、ここはしっかり後継者に対する支援、また特に青年、今、実は園芸においても青年の方が、例えば、JAでいろんな勉強をして、人脈を培って、ある意味、JAにとってはこれからというときであるかもしれないけれども、地域で自分で農業をやろうと意欲を持ってやっておられる方もいらっしゃいます。  そういう意味では、県の888億円構想とか、こういったものが後押しになっているとも思うんですね。つまり、国、県が本気で後押ししてくれるというふうなところを酌んで、後継者に今就農されてある方もいらっしゃいます。  こういった青年の人たち、特にそこへ話を聞いていただいて、どういったことを望んでおられるのか、ここは私自身、農政のプロじゃありませんので、やっぱり議員さんにプロがおられますし、また現場の声をしっかり受け止めて、ぜひ事業化につなげていっていただきたいというふうに思います。  それでは、最後の質問ですけれども、県では園芸農業の振興を図るため、今後どのように取り組んでいくのか伺います。 15 ◯南園芸課長=それでは、今後の取組についてお答えいたします。  本県における園芸農業振興の課題を踏まえまして、今後はまず初期投資が軽減され、既存農家の規模拡大新規就農者の確保につながるリース方式の大規模園芸団地の整備促進、それから経営規模拡大志向農家集落営農組織への露地野菜生産の推進、施設整備費の低減を図るためのハウス規格の統一や燃油コストを抑えるための多層被覆装置など、省エネ設備の一層の普及、県が育成した収益性が高い「いちごさん」や中晩柑「にじゅうまる」など、新品種の一層の普及拡大、園芸作物の作付に適した圃場を確保するための基盤整備の推進などの取組に注力していくこととしているところでございます。  こうした取組を生産者をはじめ、市町やJAと一体となって進めることによりまして、稼げる園芸農家が育成され、次世代の後継者の確保につながるといった好循環を生み出すことで、「さが園芸888運動」の目標が達成され、本県園芸農業が将来にわたって発展していけるよう、しっかりと取り組んでまいります。  以上、お答えいたします。 16 ◯藤崎委員=そういった取組を力強く進めていっていただきたいと思います。  やはり県、そしてJA、生産者、そしてまた、そこに消費者の方がしっかり連携して支え合っていく、特にまたリース方式とか、そういった取組も非常にいいことだと思います。やっぱりどうしても生産者がつらいのは、最初に抱えてしまうこと、一生懸命頑張って、なかなか手元にお金が残っていかない、可処分所得を上げていくためには、そこにコストを下げていかなきゃならない、そういう意味では、最初の投資が少なくて済むというのは非常にいい取組だと思いますので、ここはJAであったり、市町であったり、県がしっかりそこを連携していただいて、そういった整備を進めていっていただきたいというふうに思います。  そして、コストの低下もそうですけど、もう一個は販路の開拓ですよね。ここも当然大きなロットがないと、大きく作っているところは直接、例えば、コロナのときも、ある生産者はコロナで厳しいと思って、すぐさま動かれて、大型のそういった販路先を直接押さえてあるんですね。本当にそういったふうに努力もしておられます。でも、そういったことができればいいんですけど、なかなか皆さんそういうわけにはいきません。  そうしますと、景気の影響を受けやすい園芸においては、せっかく作ったものを消費者に届けなきゃなりませんので、そういった販路においてもぜひJA、また関係機関と連携して取り組んでいっていただきたいというふうに思います。  とにかくたくさんやらにゃいかんというふうに思うんですけども、そういった中で要望というのは正直たくさんあります。あれもして欲しい、これもやってもらわにゃいかん。本当に根域制限においてもいろんな要望があって、県も本当にしっかり取り組んでいただいている、国ができないところを県が補完してやっていただいているというふうに思って評価しておりますけども、引き続きこの八百八十八億円という数字を大きく市場に訴え、そして、本当に県民に八百八十八億円を達成したんだということを誇れるような佐賀県農政であってほしいというふうに思います。  池田農林水産部長、現場が分かっていれば分かっているほど大変難しい数字だというふうに思っておられるかとは思いますけども、でも、あえてそれを掲げられたということは、やはりその意欲、生産者のほうにそれが伝わっていかなきゃならないというふうに思いますので、部長になられてもこれまで同様現場に出向いて、本当現場によく行っていただいているというふうに思いますので、そういうふうに現場に出向いて鼓舞していただいて、共に頑張ろうと、八百八十八億円を必ず実現するんだ、そして、次世代に地域を、農地を継承して、集落を守っていこう、ひいては佐賀県を守っていこう、そういうふうな佐賀県であってほしいと思います。ぜひそういうふうに頑張っていただきたいというふうに思います。  では最後、最後というか、二つしかありません。部長、一言。何も通告しとらんばってん、私からもよかですか、通告していないんですけど、一言お願いします。 17 ◯池田農林水産部長=「さが園芸888運動」についての意気込みというんですか、お答え申し上げます。  「さが園芸888運動」につきましては、平成二十九年の六百二十九億円を十年後には八百八十八億円まで拡大していくという極めて高い目標を掲げております。目標を達成するためには、これまでの取組の延長だけではなくて、実効性のある新たな取組が重要だというふうに考えております。  新たな取組といたしましては、一つは園芸団地の整備、それと露地野菜の生産拡大、そして、ミカンの根域制限栽培の水田での導入、普及、そういったものに重点的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  本県農業の「稼げる農業」を確立して、そして、次世代の農業後継者を育成するためには、やはり収益性の高い園芸農業の振興というのが不可欠だというふうに考えております。今後ともそういう意味でこの「さが園芸888運動」を、JAや市町、そして生産者と一体となってしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えています。  以上、お答えします。 18 ◯藤崎委員=ありがとうございます。池田部長のそこの思いというのは以前からしっかり伝わってきておりますので、ぜひそういう形になるように期待をしております。  それでは、中小企業の持続的発展に向けた支援について質問させていただきます。  やはり令和二年度は何と申しましてもコロナでありました。やはりコロナで相当大きな影響が出るということで、本当に何も分からない状況の中、矢継ぎ早に商工業支援というものを取り組んでいただきました。しかし、先ほどの農政に関することもそうですけども、いろんな事業をやればやるほど、当然、うまくいかないことが多く出てきます。やっぱりいろんなことを取り組めば、そういった事案が出てきて課題が見えてくると思います。しっかり検証をして、そして、次に生かしていただきたい。こういうふうにやったけれども、今回はこういった部分がちょっと足らなかったな、じゃ、ここをもっと手厚くしようかとか。逆にここはうまく効果が出なかったので、やめようかとか。そういうふうに、初めてやることについては失敗は付き物だと思います。ただ、この失敗を恐れずにいろんな事業に取り組んでいただきたい。そうしないと、初めてのことだから分からんわけですから、先ほど部長にいただいたように、今までやってきたことを同じようにやれば、うまくはいくでしょうけど、いわゆる大きく伸びていくところは非常に心もとないという思いがありますので、やはりしっかりやりながらプラスアルファ、新しい取組というものもやっていただきたいと思うわけであります。  このコロナについては全てが、そういう意味では初めてのことであったろう、コロナという対策についてはですね。そういう中で県は、融資制度、これは従来からもありますけれども、本当に早く思い切ってやっていただきました。本当に性善説でもってとにかくプッシュ型でやっていただいたということで、大きく貢献をされたわけであります。  ただ、一方で心配なのは、やはり大きく事業をしたわけですから、支出をしたわけですから、その成果というよりもむしろ融資であれば、逆に言うと、返済ですよね、大丈夫だろうか、そういった心配の声も非常に聞くわけであります。貸したものはやっぱりどうしても返してもらわなきゃならないということで、本当であれば、運転資金について言うならば、令和の徳政令じゃありませんけれども、運転資金については、金利については三年間はありませんけども、今、事業者の皆さんに話を聞いていますと、特に旅館業、ホテル業、飲食業、そういった方々は、融資については設備投資じゃなくて、あくまでも大きく下がった部分に回していたのが実情ということで、これが返済となると、その後非常に厳しくなってくるというふうな話も聞いております。  そこで、コロナに向けた対策について状況の確認をさせていただきたいと思います。  初めに、新型コロナ対策資金についてであります。  新型コロナ対策資金の目的及び内容はどうなっているのか改めて伺います。 19 ◯八谷産業労働部副部長=新型コロナ対策資金の目的及び内容についてお答えいたします。  新型コロナ対策資金につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、経営が悪化している中小企業に対し、資金繰りの円滑化を図ることを目的とするものでございます。  令和二年三月に全国に先駆けて三年間実質無利子及び保証料負担なしで新型コロナウイルス感染症資金繰り対策資金という独自の制度を設けるとともに、同じ令和二年五月には国の制度を活用した同種の資金の取扱いを開始したところでございます。  この資金は令和三年三月末で受付を終了し、令和三年五月末まで融資実行がなされたところでございます。  以上でございます。 20 ◯藤崎委員=それでは、その事業の実績についてであります。  新型コロナ対策資金の貸付実績はどのようになっているのか伺います。 21 ◯八谷産業労働部副部長=貸付実績についてお答えします。  新型コロナ対策資金につきましては、融資の最終実行期限であります令和三年五月三十一日時点において、信用保証協会の保証承諾ベースで累計九千七百十件、約一千八百億円の保証承諾実績があり、貸付けが実行されたところでございます。  以上でございます。 22 ◯藤崎委員=九千七百十件、一千八百億円、ものすごく大きいですね。当然その中身を詳細に把握しておられるかと思いますけれども、当然そこには運転資金に回った部分、中には借り換えであって安定に寄与したもの、または使用されずに金融機関にとどまっているもの、いろんな形があろうかと思います。九千七百十件ということで本当に大きな事業をやられたわけですので、間違いなく大変な成果があったんだろうというふうに思います。倒れずに済んだ事業者も数多くあったというふうに思うわけであります。  あの時点ではとにかく救ってくれと、命をつないでくれということでお願いが強くありました。我々、私も議会側として、いわゆるそういう事業者の立場に立って何とか性善説でとにかく一刻も早く資金繰りに寄与してくれということのお願いがあるわけでありますけども、今度は要は課題があると思うんですね。  つまり、お金を貸し付けたわけです。三年間は無利子ということで本当に大変な事業であったなと、思い切ったことをされたなというふうに思います。じゃ、今度はこの返済が始まったときに、つまり、設備投資をしておけば売上げが上がるから、当然その分の返済に回せるお金が出てきますけど、規模は変わらずに要は新たな返済が今度は増えていくということになりますと、売上げが今までと同じだったら厳しくなるだろうし、また、生産性も上げなきゃいけないし、コストも下げなきゃならないということで、大変難しい経営が求められてくるんだろうなというふうに心配もしております。  そういったいろんな課題が見えてくるんだろうと思いますけども、ここでは深掘りしませんけども、課題についてどういう認識であるのかだけお尋ねをしておきたいと思います。 23 ◯八谷産業労働部副部長=課題の認識ということでお答えさせていただきます。  委員さっき御説明いただきましたように、それぞれの資金を借りられた事業者さんにとってはいろんな事情、また、いろんな計画があると思います。また、コロナが長引く中では今後の資金繰りへの不安というものも当然お持ちじゃないかと思っております。  そういうことから、この融資を取り扱っておられます金融機関、あるいは信用保証協会に対しましても、そういった事業者さんからの御相談については真摯に取り組むように、事業者さんの事情をよく把握しながら相談に乗るようにというようなことで、私どものほうからもお願いをしているところでございます。基本的にそういった姿勢で、事業者さん方の置かれた厳しい立場というものを踏まえながら対応していくことが必要ではないかというふうに考えております。 24 ◯藤崎委員=今回の支援といったものが、いわゆる大変な状況の中での支援ということで、ある意味、発展性のある使途というよりも、基本的にとにかく潰れんでよかごと、廃業しなくて済むように、安定するようにということの運転資金に回るための支援であったというふうに思うわけでありますから、ぜひそこのところは今後の事業が継続していけるように金融機関等への要請、あわせて、かつてバブル崩壊、そして、リーマンショック後は経営革新計画でしたか、ああいったことを商工会の指導員さんたちと一緒になって事業者は取り組んでいただいております。  今回改めてBCPといったこと、つまり、事業計画といったものを改めてしっかりと取り組んでいただくことで、また同じような災害、有事のこういったコロナのようなときに、落ち込まなくて済むように、サプライチェーンが切れなくて済むように、しっかりとした事業継続ができるよう、そういった取組も併せて、この前の臨時議会は寺島部長さんとそのやり取りをさせていただきましたけども、引き続き大事なことですので、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思っております。  次に、佐賀型店舗休業支援金及び時短要請協力金についてであります。  これも県としては本当にしっかりやっていただいたということは評価いたしますけども、正直、現場、事業者の立場になると、こんなことを言って申し訳ありませんが、振り回されたというのが本当のところだと思います。やっぱり大変大きな影響を受けたというのは事実であります。  そういう中で事業を進めていったわけでありますけれども、佐賀型店舗休業支援金及び時短要請協力金の目的及び内容について改めて伺っておきます。 25 ◯八谷産業労働部副部長=佐賀型店舗休業支援金及び時短要請協力金の目的及び内容についてお答えいたします。  まず、目的でございます。  佐賀型店舗休業支援金及び時短要請協力金のいずれも、県からの休業要請や時短営業の要請などに応じて、休業または時短営業を行った事業者に対し、協力金を交付することによって新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことを目的といたしております。  次に、内容について申し上げますと、まず佐賀型店舗休業支援事業でございますが、令和二年四月二十二日から五月六日までの期間、一部接待を伴う飲食店は五月二十日までの期間、県からの要請に応じて休業または夜八時から翌朝五時までの間の営業休止を行った事業者に店舗休業支援金を。また、令和二年四月二十九日から五月六日までの期間、隣県からの人の流れを止めるため、福岡県境を中心に自主休業した飲食店には県境ストップ支援金を、県独自にいずれも店舗数の上限なく、一店舗当たり十五万円を交付した事業でございます。  それから、時短要請協力金でございますが、これは国のスキームに沿って、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対応として、令和三年一月二十一日から二月七日までの期間、県から飲食店に対して営業時間の短縮の要請を行い、これに応じた飲食店に一店舗当たり七十二万円の協力金を交付したところでございます。  以上でございます。 26 ◯藤崎委員=では、その事業の実績についてであります。  佐賀型店舗休業支援金等の実績はどのようになっているのか伺います。 27 ◯八谷産業労働部副部長=佐賀型店舗休業支援金等の実績についてお答えします。  店舗休業支援金のほうでございますが、これは六千四百二十一店舗に対しまして総額九億六千三百十五万円、県境ストップ支援金は百六十一店舗に対して総額二千四百十五万円を交付いたしました。また、時短要請協力金は令和二年度中に四千四十九店舗に対して総額二十九億千五百二十八万円を交付したところでございます。  多くの事業者の皆様が県からの要請に応じて休業や営業時間の短縮に御協力をいただき、速やかに新型コロナウイルスの感染者の数を抑えることができたところでございます。県から休業や営業時間の短縮をお願いすることは大変心苦しかったところでございますが、事業者の御協力、そして県民の皆様方の頑張りによりまして感染拡大を抑えることができて、改めてお礼を申し上げたいと思います。 28 ◯藤崎委員=県境ストップのやつは非常に的を射た適切な対応だったというふうに思うんですね。思い切ったことをやっていただいたと、非常に評価の声が多くあるし、私自身も本当によくやっていただいたなというふうに思います。  やっぱり目的は感染者を増やさない。拡大させない。減少に転じさせて、一日も早く平穏な日常を取り戻して経済を回す。つまりそのためのストップをせにゃいかんということでのこういった事業、時短要請等であったわけですけれども、課題が残ったと思うんですね。
     それは何かというと、一つには目的がきちっと周知されていなかったというふうに思います。それは何かというと、もちろん表面上は分かっておられますけれども、やっぱりお店を九時までやったり、八時までやったり、また休業しなきゃいけないとなると、経営に影響が出てまいります。そういったときに県は協力金ということで支援をしていただきました。これは固定費に若干該当する分ということで、いわゆる人件費であったりとか、そういう運転資金というとちょっと違うのかもしれませんが、いわゆる固定費に関してはそういった支援があったけれども、変動費、つまり人件費、そういった分に関しては今回はなかったのであります。  それはなぜかというと、そもそも今度の支援が、いわゆる補償ではないと。売上補償であったり、減少に合わせたそういった補償じゃなかったんですよね。つまりこういう考え方が国にはありませんので、そもそも落ち込んだ分を補填するという発想は全くない。あくまでも感染拡大を防止するために協力をいただく。それに対する協力金ということで、その算出として固定費に見合う分をいろいろ悩みながら数字を出していただいたということでありますけれども、やはり商売をしておられる方は、本当にひっきりなしに、恐らく県のほうにも相当問合せがあったかと思います。我々にも、事業者の方と会えば悲鳴、怒り、何とかしてくれという声が本当に多くぶつけられました。私たちも県の苦労も分かりながら、皆様にどうしてもやっぱり現場の声は届けなきゃいけませんので、大変県の苦労は分かっておりながら言わざるを得ない、大変ですよと。分かっていることをあえて言わずもがなで言わせていただいたということがこの間ありました。  そういう意味では、店舗休業、時短というものは大きな課題が残ったと思うんですね。それはやはり国が財源を保障する、やっぱりそこが一番大事じゃないかな。そして次に判断、これは地域に任せる。そういったところを徹底する。そういうめり張りができる支援ができるようにやっていただくということ。  そしてもう一つは、こういったことをやるに当たっては、そもそもですけれども、国に相談しなくていいようにすると。要は事業をやるときに、本当にこういうときですから矢継ぎ早にいろんな手を打っていかなきゃいかんというときに、国に伺いを立てていたことはないんでしょうけれども、やっぱり国に相談をしなきゃならないという現状があるんだと私は思うんですね。だから、こういったところを、本当に地域を、国は地方を信頼して、やっぱり私は今一番大きな課題、今度のコロナで見えてきたのは信頼だと思うんですね。信用する、頼る、信頼。県が県民を信頼していろんな事業をする。県民は行政を信頼してそれに協力をする。同じように国と都道府県の知事との間の信頼関係もなければならないと思うんですけれども、私は今度のコロナというのは、この信頼というところがあるのかないのかというのが如実に見えてきたなというのが、一言で評価するならば、私はそういうふうに信頼という部分を非常に感じたわけであります。  そういった意味で、これはコロナに限らないのでしょうが、国は地方を、都道府県を信頼して任せると、そういった体制。そして、国が責任を持つと。そういうリーダーシップ、あるべきリーダーシップを本当に国には取っていただきたいなというのを私は思っております。  課題についてはしっかりと持っておられると思いますので、ぜひ検証して取り組んで、これは佐賀県だけじゃできない課題ですので、しっかり国のほうに要請をしていただいて、そして市町、関係機関とも、またこれまで同様に、あといろんな商工業の事業者の方、また医療機関もそうですけれども、連携して引き続き佐賀の一体感というものを醸成して守っていっていただきたいというふうに思います。  次に、チャレンジ事業者持続化支援事業について伺います。  改めて事業の目的と内容についてお尋ねをいたします。 29 ◯八谷産業労働部副部長=チャレンジ事業者持続化支援事業の目的及び内容についてお答えさせていただきます。  この事業は、創業や店舗拡大の時期等によって、国が創設した持続化給付金制度及び家賃支援給付金制度の給付対象とならない事業者に対し、県独自の支援として持続化支援金及び家賃支援金の交付を行い、事業者の持続的な経営を支援することを目的として実施をいたしました。  持続化支援金につきましては、中小企業で株式会社等の法人の場合は二百万円、個人事業者の場合は百万円を上限とし、新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受けたとみなされる事業収入の減少額に応じて支援金を交付したところでございます。  また家賃支援金につきましては、同様に、法人の場合は六百万円、個人事業者の場合は三百万円を上限とし、賃料の月額に応じて支援金を交付いたしました。  以上でございます。 30 ◯藤崎委員=また、まさに信頼関係に基づいてしっかりやっていただいたというふうに評価をしております。  じゃ、その事業の実績についてでありますけども、どのようになっているのか伺います。 31 ◯八谷産業労働部副部長=チャレンジ事業者持続化支援事業の実績についてお答えします。  持続化支援金の交付件数は百七十六件、交付金額合計は二億二千四百五十七万五千円、家賃支援金につきましては、交付件数二十九件、交付金額合計は一千七百七十五万七千円となっております。  この事業によりまして、国の支援制度のはざまにある事業者に対し支援することで事業者の持続的な経営を支援することができたと認識をしております。  持続化支援金の交付を受けた新規創業者の方からは、コロナの影響で当初の売上げ計画から大きく乖離してしまった。新規創業ということで国の支援が受けられない中、県の支援金制度があって大変助かったとのお声をいただいたところでございます。  なお、国の持続化給付金は、その後、当初は対象ではなかったこういった創業者を対象に加えられましたが、本県の取組が先鞭をつけたものというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 32 ◯藤崎委員=ありがとうございます。  それでは、次の質問です。新業態スタート支援事業について伺います。  新業態スタート支援事業の目的及び内容について、どのようになっているのか改めてお尋ねをいたします。 33 ◯八谷産業労働部副部長=新業態スタート支援事業の目的及び内容についてお答えします。  この事業は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として新たな生活様式が提言される中、新たな業種に取り組む事業者を支援することにより事業者の販路拡大を図ることを目的に実施をいたしました。  補助の内容といたしましては、補助率が三分の二、一店舗当たりの補助上限額を二十万円とし、感染防止対策やテイクアウトやデリバリーへの参入など、新たな業態に取り組む際の経費について支援を行ったところでございます。  以上でございます。 34 ◯藤崎委員=それでは、その新業態スタート支援事業の実績についてお尋ねをいたします。 35 ◯八谷産業労働部副部長=新業態スタート支援事業の実績についてお答えいたします。  事業実績といたしましては、九百六十六事業者、千二百二十七店舗に対しまして補助を行い、補助金交付額合計は一億七千九百九十三万九千円となっております。  補助事業の事例といたしましては、換気設備の導入や店内消毒といった新しい生活様式への対応のほか、オンデマンドレッスン動画の制作ですとかネット予約システム構築等の取り組みなども見られ、新たな業種へ挑戦する取組に対して支援が行われたと考えております。  オンデマンドレッスンに挑戦した補助事業者からは、コロナで対面講座をちゅうちょするお客様から多くの問合せがあった。県内だけでなく県外からの問合せもあり、新しい顧客の開拓ができたとのお声が聞かれたところでございます。  また、順番待ちのシステムを導入した飲食店経営者からは、店舗入り口付近のお客様の密集を解消できた、お客様からは安心して店に行けるとのお声も寄せられているといった声が聞かれたところでございます。  以上でございます。 36 ◯藤崎委員=あわせて、ウイズコロナ対策の支援についても伺っておきます。  ウイズコロナ対策支援事業のその目的及び内容について改めてお尋ねをいたします。 37 ◯八谷産業労働部副部長=ウイズコロナ対策支援事業の目的及び内容についてお答えします。  この事業は、年末年始から春先までの忘年会、新年会や、卒業式、入学式の需要が喚起される機会を逃さずに、事業者がウイズコロナ対策に取り組むことで事業継続を支援することを目的に実施をいたしました。  事業の内容といたしましては、新型コロナウイルス感染症対策となる三密、いわゆる密集、密接、密閉でございますが、この回避、非対面型・非接触型の接客といった事業者のウイズコロナ対策に対し、補助率二分の一、一店舗当たり十五万円を上限として補助を行ったところでございます。  以上でございます。 38 ◯藤崎委員=ではあわせて、事業の実績についてもお尋ねをいたします。 39 ◯八谷産業労働部副部長=ウイズコロナ対策支援事業の実績についてお答えします。  実績といたしましては、二百八十五事業者、三百五店舗に対して補助を行いまして、補助金交付額合計は二千八百十四万六千円となっております。空気清浄機、サーモカメラ、加湿器等の導入のほか、非接触型体温計の導入やテラス席設置等について補助を行い、事業者のウイズコロナ対策の支援を行いました。  補助を受けた事業者からは、ウイルスという目に見えない脅威に不安があったが、補助事業を活用し、ウイズコロナ対策を行うことで安心感を持って事業に取り組むことができたですとか、店内で感染症対策を行っていることをPRすることで、お客様に継続して御利用いただくことができたといった声が聞かれたところでございます。  以上でございます。 40 ◯藤崎委員=必要な事業をやっていただいたというふうに評価しております。やっぱり医療の進歩といいますか、ワクチン、または治療薬、そういったもので早く平穏な日常を取り戻さなきゃなりませんけども、一方で、このコロナに限らず、いつ、どのよう形でこういった感染症のウイルスが入ってくるか分からないということを踏まえれば、こういった事業をやはりしっかりと取り組んで、今後も引き続き続けていっていただきたい。そして、県内の事業者がしっかり対応できる、そういった基盤を整えていただきたいというふうに思うわけであります。  最後に、中小企業の持続的発展に向けた取組について質問をさせていただきます。  コロナ禍において厳しい経営を余儀なくされている中小企業の下支えはもとより、新たなチャレンジへの支援にも取り組むことによって、企業の売上げの拡大や収益の向上を図ることが必要だというふうに考えております。  県は、中小企業が持続的に発展するようどのように取り組んでいくのか伺っておきます。 41 ◯八谷産業労働部副部長=中小企業の持続的発展に向けた取組についてお答えさせていただきます。  コロナ禍の中、中小企業の事業継続と雇用の確保を第一に、事業者に少しでも前を向いてもらいたいという思いで、三年間無利子、信用保証料負担なしという新型コロナ対策資金ですとか、チャレンジ事業者持続化支援事業など、先手先手で支援を実施してまいりました。  委員御指摘のとおり、中小企業が持続的に発展するためには、当座は支援策でしのぐにしても、企業の目的である売上げの拡大や収益の向上を目指し、稼ぐための経営が求められると考えております。  そのため、新たな視点、発想で事業の変革に取り組む事業者を支援していくことが重要と認識しておりまして、中小企業のDX──デジタルトランスフォーメーションの推進ですとか、ものづくり企業の強靭化などの様々な支援にも取り組んでいるところでございます。  一例といたしまして、今年度、中小企業新事業チャレンジ支援事業によりまして、県内の中小企業、小規模事業者が、新分野への展開や業態転換、新商品の開発、デジタル化による生産性の向上など、新たな事業にチャレンジする場合に、補助率を三分の二以内、上限二百万円、下限五十万円で補助金を交付する事業を実施しているところでございます。  この七月から九月にかけて二回に分けて公募を行いまして、全部で四百七十六件の応募がございまして、うち三百二十四件の採択を行ったところでございます。新たな事業に果敢にチャレンジをされているところでございます。  また、国におきましても、前向きなチャレンジへの補助事業がございます。中小企業事業再構築補助金は、事業・業種転換等の取組や事業再編などに取り組む企業を支援するものでありまして、今年度は県内からは九十六件が採択をされています。  今後とも、こうした国の事業を最大限に活用しつつ、県としましても、きめ細やかに事業者の前向きなチャレンジを商工団体や金融機関などの支援機関と連携をしましてしっかりと支援してまいる所存でございます。  以上でございます。 42 ◯藤崎委員=ありがとうございます。コロナで相当傷んだ経済でありますので、そういった斬新なことに取り組んでいただいて、しっかり県勢発展につなげていっていただきたいというふうに思います。  農林水産部、産業労働部におかれては、本来行政の目的は福祉の向上にあるというふうに思うわけであります。やはり県民が安心して暮らしていけるための福祉に努めるべきだというふうに思うわけであります。そのために必要なものは基盤整備、インフラであります。そして、県民が稼げるように、しっかりと力強く立って稼げるように支援をしていくのがまさに皆さんが所管している事業だと思います。  皆さんが、しっかりと県民に稼ぐ力をつけていただくことが、ひいては基盤の整備につながり、そして、県民が本当に佐賀に住んでよかったと、佐賀で子供を産んで育て、そして、老後も佐賀で安心して暮らしていこうと、そういったふうになるための財源をつくっていく。皆さんが頑張ることがそういった財源につながって、福祉の向上につながっていくわけでありますから、皆さん方の肩に大変重い責任でありますけれども、ぜひ気概を持って引き続き頑張っていただきたいというふうに思います。  そして、県民から褒められずとも、自らおのれを褒めていただいて──頑張っているところですね。やっぱり皆さんの頑張りは皆さんが一番よく分かっていらっしゃると思います。そういう意味では、鏡に向かって頑張っているな、私、本当にそう言っていただきたいと思うんですね。そういう気持ちを伝えまして、質問を終わります。 43 ◯井上委員=日本共産党の井上祐輔です。  まず、産業人材の確保について伺いたいと思います。  本県では、高校卒業後、進学する方の約八割、就職する方の約四割が県外に学びの場や働く場を求めており、人材流出が顕著となっています。  総務省による住民基本台帳人口移動報告を見ると、五年前の平成二十八年、転入数が三千四百八十六人、転出数が五千九百五十九人となり、転出超過数は二千四百七十三人となっています。また、昨年、令和二年については、転入数は三千八百三十七人、転出数は六千六十七人となり、転出超過数は二千二百三十人というふうになっています。この十五歳から二十四歳では、直近五年間の転出超過数がおおむね二千二百人から二千四百人で推移をしているという状況です。  少子化に伴う生産年齢人口の減少が続いていく中で、県内経済を支える産業人材の確保は喫緊の課題であり、県においては様々な取組がなされてきました。こうした取組の成果もあり、今年度、高校生の県内就職率は六五%を超える見込みだと伺っています。  また一方で、人材流出が顕著な状況の中、高校生だけでなく、大学生、短期大学生においても県内就職を促進する取組や、県外から人材を呼び込むためにUJIターン就職を促進する取組にもより一層力を入れていく必要があると考えています。  そこで、次の点について伺います。  まず、県内就職率の推移についてです。  県内就職率は、ほかの県からの学生が多い大学生や地元の学生が多い短期大学、高校とそれぞれ状況も違うというふうに思いますので、それぞれの状況を伺っていきたいと思います。  最初に、高等学校における県内就職率の推移について、直近五年間の状況はどうなっているのかお伺いをします。 44 ◯藤崎産業人材課長=高等学校における県内就職率の推移についてお答えいたします。  高等学校における県内就職率について過去五年間の推移は、平成二十八年度、平成二十九年三月卒業生になりますけれども、五九・〇%、平成二十九年度は五八・四%、平成三十年度は五六・九%、令和元年度は六〇・七%、令和二年度は速報値ではございますが、六五・四%となっております。  以上でございます。 45 ◯井上委員=次に、短期大学における県内就職率はどうなっているかお伺いします。 46 ◯藤崎産業人材課長=短期大学における県内就職率の推移についてお答えいたします。  短期大学における県内就職率について過去五年間の推移は、平成二十八年度は六六・五%、平成二十九年度は七二・一%、平成三十年度は七一・七%、令和元年度は七三・六%、令和二年度は七六・一%となっております。  以上でございます。 47 ◯井上委員=では、大学における県内就職率もお伺いしたいと思います。 48 ◯藤崎産業人材課長=大学における県内就職率の推移についてお答えいたします。  大学における県内就職率について過去五年間の推移は、平成二十八年度は三二・二%、平成二十九年度は二八・八%、平成三十年度は三一・〇%、令和元年度は二九・九%、令和二年度は三二・六%となっております。  以上でございます。 49 ◯井上委員=それぞれの就職率の推移についてお示しをいただきました。  高等学校については、今年度、速報値で六五%ということでお話がありましたが、短期大学については七六%の方が県内で就職をされているということです。  また、多くの大学生が県内だけでなく、県外からも入学をされていると。そういった状況の中で、大学については三〇%前後、これを推移しているという状況でありました。  次の質問に行きますけれども、大学、そして、短期大学における県内就職の促進の取組について伺いたいと思います。  高校生の県内就職率については六五%を超える見込みということで、大変成果が上がっています。この点については、次の質問者である古賀委員のほうから詳しく質問をされるということですので、私のほうから大学と、そして、短期大学の取組について伺いたいと思います。令和二年度における取組、どのような取組を行われたのかお伺いをいたします。 50 ◯藤崎産業人材課長=令和二年度における取組についてお答えいたします。  大学生、短期大学生の就職活動においては、活動の早期化やウェブの普及定着など環境が大きく変化しており、学生はウェブを活用しつつ、より早い時期から様々な企業と接点を持つことが重要となっております。  このため令和二年度は、県内大学、短期大学の一年生から三年生を主なターゲットとし、県内企業との交流を通じて県内企業に興味を持っていただく、また、佐賀県の暮らしの豊かさを発見し、県内で働き、生活するイメージを抱いてもらうことにより、県内の定着につなげることを目的として、「さがを深く知る大交流会”サガシル”」を開催しました。  コロナ禍によりましてウェブでの開催となりましたが、企画、準備段階から学生に参加してもらうとともに、企業側も人事担当者だけでなく、経営者や若手社員にも参加していただいたことで、学生からは、イベント開催前から企画に興味を持ち、自分から企業を研究したいと思えたといった声や、参加企業からは、自社でのインターンシップに対し、学生から関心を持ってもらうことができたなどの声が聞かれたところでございます。  また、若年者の就職活動を支援する「ジョブカフェSAGA」では、就職活動を開始した学生に来所してもらいまして、職業適性診断、エントリーシートの書き方を支援、模擬面接による指導、数社が参加するミニ合同企業説明会を毎月開催などの支援を行ってきましたが、令和二年五月からは新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発令されるなど来所での支援が困難になったことから、ウェブを活用してオンラインでの支援を開始し、ウェブが主流となった就職活動に合わせて支援手法の改善も行ったところです。  以上でございます。 51 ◯井上委員=昨年、新型コロナウイルスの感染拡大という状況の中で、本当に就職活動についても大変大きな環境の変化というところもあったと思います。  先ほど御紹介をいただきました取組の中で、企画や準備段階の中で学生も関わって取組を進めてきたというふうな御紹介がありました。本当にこういったことは自分たちの感覚の中で取組が進められますし、より興味、関心を持ってこの取組が進められたんだろうというふうにも思います。  そういった企画とか準備の段階で学生が関わったというお話がありましたけれども、例えば、具体的にどういった取組で学生が関わってこられたのか、分かれば教えていただきたいと思います。 52 ◯藤崎産業人材課長=「サガシル」での学生の企画段階の取組についてお答えいたします。  ウェブでの開催とはなりましたけれども、企業の紹介DVD等を放映したりしましたので、その作成に学生に参画いただいて、取組を進めさせていただきました。
     以上、お答えいたします。 53 ◯井上委員=こういった参加型でそれぞれ自分たちの準備に関わっていくということは、本当によいことだというふうに思います。  そういった中で、令和二年度に取組をされて、成果、また課題についてはどのようなものがあったのかをお伺いします。 54 ◯藤崎産業人材課長=成果及び課題についてお答えいたします。  県内の大学、短期大学とも連携しながら、県内企業の魅力とともに佐賀県の暮らしの豊かさを伝えることにより、大学生、短期大学生の県内就職率は上昇の兆しが見え始めたところでございます。県内の大学には他県から進学されてきた学生も多く、今後はこうした他県出身の学生にも佐賀県に愛着を持っていただき、県内就職を選択肢にしてもらいたいと考えております。  そのため、より多くの学生に就職活動を始める前の早い段階から、県内企業の魅力とともに佐賀県の暮らしの豊かさを伝え、佐賀県に愛着を持っていただき、佐賀県での生活を意識してもらうよう取り組んでいく必要があると考えております。  以上でございます。 55 ◯井上委員=成果と課題、紹介をしてもらいましたけれども、本当にその場所で働いていくということは、そこで生活をしていくということにもなりますので、佐賀に愛着を持っていただくということは大変重要だと思います。  次のUJIターン就職促進の取組について伺いたいと思います。  UJI、これはよく聞かれる単語というふうにもなりましたが、私自身も改めてこの意味を調べてみました。  Uターン、これは地方から大都市に移住をした後、再び地方に移住をすること。Jターン、地方から大規模な都市へ移住をした後、地方近くの中規模な都市へ移住すること。Iターン、これは地方から都市へ、または都市から地方へ移住をすることということでありました。  初めに、県内の転出、そして、転入の状況についてもお話をしましたが、転入だけで見ると、平成二十八年三千四百八十六人というふうになっておりましたが、昨年度、令和二年は三千八百三十七人、三百五十一名の転入されている人が増えているということが分かります。これは県全体の取組、また、移住促進事業など、そういった成果があるというふうにも思います。  そういった中で、このUJIターンの就職を促進していくために、令和二年度はどのような取組を県では行われたのかお伺いをしたいと思います。 56 ◯藤崎産業人材課長=UJIターン就職を促進するための令和二年度の取組についてお答えいたします。  本県では、高校卒業後、委員御指摘のとおり、進学する方の約八割が県外に進学しておりまして、こうした県外進学者も含め、県外の方にUJIターン就職を促すことが県内企業の人材確保のために重要だと考えております。  また、コロナ禍で特に首都圏の若者において地方への移住に関心が高まっている今こそ、佐賀県の魅力を県外にも積極的に発信していく必要があります。このため、移住支援を担当する地域交流部などとも連携し、ウェブの活用など工夫を凝らしながら、県外の方に対し、県内企業や佐賀県の暮らしの魅力を伝えるとともに、佐賀県での就職活動を行いやすい支援を行ってきたところでございます。  具体的には、県外のどこからでも参加できるようウェブを活用した合同企業説明会の開催、県外の方に親類などを通じて佐賀県の施策が伝わるよう、帰省時期や就職活動開始時期に合わせたタブロイド紙の発行、特に本県からの進学者が多い県外の大学のキャリアセンターを通じた施策情報等の発信、令和二年十月からは「ジョブカフェSAGA」において、ウェブを活用して県外大学生に対する就職活動の支援を新たに開始、遠方からの就職活動においては負担となっている交通費に対する補助などを行ってまいりました。  また、佐賀県への移住を具体的に考える方に対しましては、「佐賀県のしごと相談室」が「さが移住サポートデスク」と連携し、就職先のマッチング支援とともに移住に係る様々な相談に対応してきたところでございます。  以上でございます。 57 ◯井上委員=このUJIターン就職について様々な取組が行われているということでありますけれども、こういったよい取組というのは、知っていなければ活用もなかなかされることはないというふうに思います。いろいろなウェブでの合同説明会であったり、取組されているんですけれども、こういった情報について、情報発信ですね、大学生や、または県外に出られた方にこれを知ってもらう取組、こういったところについてはどういった取組をされているのかお伺いしておきたいと思います。 58 ◯藤崎産業人材課長=県外の方に対します取組についてお答えいたします。  先ほどお答えしましたタブロイド紙などについては、県外にいらっしゃる学生についても保護者の方が情報を発信できるような形で発行していることと併せまして、SNSなどを活用した広報等で取組をさせていただいておりますけれども、なかなか県外に行かれた学生へ情報が届かない、届きにくいということがありますので、そこは我々も課題と認識しております。  以上、お答えします。 59 ◯井上委員=ありがとうございます。  それでは、成果及び課題についてであります。  令和二年、いろいろな取組をされていく中で、少し先ほどもありましたけれども、どういった成果や課題があったのかお伺いしたいと思います。 60 ◯藤崎産業人材課長=取組の中での成果や課題についてお答えいたします。  県外大学や「さが移住サポートデスク」と連携しまして、県外への情報発信や就職活動支援を実施してきましたが、これまで「佐賀県のしごと相談室」には延べ百四十三名の相談者があり、四十一名が県内に就職、「ジョブカフェSAGA」には県外から延べ六百三名の相談者があり、うち二十八名が県内に就職するなど着実に取組の効果が生じているところでございます。  一方で、県外に出てしまうと県の支援施策などの情報を届けることが困難になるため、いかにして情報を届けるかが今後UJIターン就職を促進する鍵となると考えております。  このため、進学等で県外に出られてしまう前に県内企業や暮らしの魅力を伝える、また、県外に向けて様々な媒体を通じた情報発信などに取り組んでいく必要があると考えております。  以上、お答えします。 61 ◯井上委員=この質問の最後に、産業労働部長にお伺いしたいと思います。  高校生への取組では、この間、すばらしい成果を上げられていましたが、ここも今六五%ということで、どこまで目指していくのかというところもあろうかと思います。この六五%、さらに上を目指していくのか、もしくは生徒さんの中でも一度県外に出て自分の夢を追いかけたいと、そういった思いを持っておられる方もいらっしゃると思います。  そういった中で、産業人材を確保していく取組、今後どのように取組を進められていくのかお伺いをします。 62 ◯寺島産業労働部長=産業人材の確保のための今後の取組ということでお答えをいたします。  まず初めに、本県の産業労働政策の基本的な考え方といったものを申し上げさせていただきたいと思います。  今ある企業が成長するとともに、新しい企業や産業が生まれ、そうした本県の企業で働きたいというふうに思っていただける方々が増え、企業を支える人材がさらに育ち、そして、それによって企業、産業がさらに発展していくという、こういった好循環を生み出していきたいというふうに考えて施策に取り組んでいるところでございます。  そういう中で、産業人材の確保というのは、本県産業の持続的な発展、成長を図る上で大変重要な課題であるというふうに考えておりまして、これまでも力を入れて取り組んできております。  これまでの取組の成果といたしまして、先ほど課長も少し答弁を申し上げましたけれども、県内就職率の向上の兆しが少しずつ見えてきたところでございますけれども、まだまだ伸び代があるというふうに考えておりまして、さらに様々な取組、あるいは様々な工夫といったものが必要なんだろうというふうに考えております。  県内には、地域に根差して地域のために頑張っている企業といったものもございますし、高い世界シェアを誇るなど世界で活躍されている企業もいらっしゃいます。大変魅力的な企業が多うございます。また、本県は豊かな自然と食にも恵まれ、また、人と人との深いつながりもございます。大変生活しやすく、子育てもしやすい環境にあるなど、魅力にあふれた地域であるというふうに考えております。また、福岡市といった大都市圏にも近いと、そういった地理的な優位性も持ってございます。  こうしたことを県内の高校生の方、あるいは大学生の方に県内におられるうちにしっかりと伝えていく。また、県外に進学をされた方には、大学等とも連携を取りながら、できるだけ多くの情報を届けることができるよう取り組みますとともに、多くの方々と県内企業とのマッチングが図られるよう就職活動、採用活動を支援してまいりたいというふうに考えております。  今後とも、関係機関、関係団体とも連携をいたしまして、県内企業の経営力や労働環境のさらなる向上を支援いたしますことと併せまして、各企業の価値や魅力、佐賀県での暮らしのすばらしさを多くの方々にしっかりと伝えて、本県産業の発展、成長を担う産業人材の確保にしっかりと取り組んでまいります。  以上、お答えいたします。 63 ◯井上委員=ありがとうございました。  私自身も工業高校を卒業して、一度県外に出たという経験があります。後にまたふるさと佐賀に戻ってきて、仕事をしたというふうになりましたが、やはり多くの皆さんが生まれ育った地元で就職して、結婚して子育てをしていきたいと、こういう思いも持っておられると思います。  実際私の高校の同級生から、県外に出ていたんですけれども、地元に帰ってきたいと思っているけど、どうしたらいいだろうかと、こういった相談を受けたこともありました。先ほどお話がありましたように、佐賀の魅力をしっかりと伝えていただくと同時に、本当にすばらしい企業もたくさんあるんだよというところもアピールをしていただきながら、今後の産業人材確保について取組をしていただきたいと思います。  大きな二問目の、企業誘致の推進について伺いたいと思います。  地元企業や産業振興に取り組むことは大変重要なことだというふうに考えておりますが、企業誘致についても、地域振興、大学生、高校生など若者を中心とした地域における新たな雇用を創出するためにも必要であると思っています。  また、若者の地元定着、人口減少の歯止め、さらには移住促進への効果もあることから、今後とも積極的に推進していただきたいと考えているところです。特に企業を誘致するというところがゴールではなくて、地元の雇用、そして、正社員として安心して働ける環境がしっかりとつくられているのか、この点についても注意深く見ていく必要があると思っています。  そこで、まずは、県内の産業団地の現状について伺いたいと思います。  産業団地は、県営の事業から県と市町が共同しているもの、また、市町が進める事業もあると思います。県内各地でこの産業団地が造成されていると思いますが、県内の産業団地の整備状況はどうなっているのかお伺いをします。 64 ◯大久保企業立地課長=県内の産業団地の現状についてお答えいたします。  県内における分譲地の産業団地は五団地、その有効面積は合計で三十・七ヘクタールとなっております。五団地の内訳としましては、伊万里市の七ツ島工業団地及び伊万里東部工業団地、鳥栖市の鳥栖北部丘陵新都市、唐津市の新産業集積エリア唐津第一期及び唐津石志工業団地となっております。  また、造成中及び計画中の産業団地は合計で八カ所、有効面積は全体で約百三・五ヘクタールとなっております。その内訳といたしましては、県営産業団地として整備している佐賀コロニー跡地と吉野ヶ里町内の二カ所、市町を事業主体に県と市町の共同で開発を行っている新産業集積エリアの鳥栖、唐津第二期、有田の三カ所、県が支援を行い、市町が事業主体として整備を進めている市町営産業団地の佐賀大和インターチェンジ工業団地、新武雄工業団地、東脊振インター工業団地の三カ所となっております。  以上、お答えいたします。 65 ◯井上委員=分譲中の団地が五団地、そして、造成計画をされているところが現在八カ所あるということでありました。  この中で特にお聞きをしたいところは、新産業集積エリア唐津についてです。この産業団地については、唐津市厳木町に造成をされて、二〇一〇年から分譲が開始されています。既に十一年経過をしているところですけれども、ここについては有効面積が八・一ヘクタールあるうち、残りの面積八・一ヘクタールということで、企業の誘致が現状としては実現していないという状況です。  地元の皆さんからは、この地域に早期に企業が誘致されてほしいと、そういった声も聞いています。そういった中で、新産業集積エリア唐津の取組状況、また、引き合いの件数、こういった状況について分かるところがあればお示しをいただきたいと思います。 66 ◯大久保企業立地課長=新産業集積エリア唐津の状況についてお答えいたします。  新産業集積エリア唐津につきましては、企業からの引き合いもありまして、現地視察も行われております。一方、新たな進出先を探している企業におきましては、まずは必要となる面積が確保できるのかというのが大事な条件となっております。  そうした中で、取引先へのアクセス条件だとか、水や電力などインフラの整備状況、あと優秀な人材が確保できるかなど、他県を含む複数の候補地と比較しながら検討されて選定されます。これまで現地視察を何回も行ってきましたが、立地に至らなかった理由としましては、例えば、面積があと少しあればとか、水がもう少し確保できればなど、重視する点は各企業それぞれでございました。  新産業集積エリア唐津につきましては、進出の候補先として選定されて現地視察を行う企業が一定数あるなど、産業団地のポテンシャルはあると感じております。これまで結果として成約まで結びつかなかったものでありまして、これまで以上に魅力、例えば、地震が少ないとか、浸水のリスクが少ないとか、そういったBCP体制に適しているということなどを伝えながら、進出の候補先として考えてもらう企業を増やしていく、これが重要だと考えております。  以上、お答えいたします。 67 ◯井上委員=質問調整していく中で、この新産業集積エリア唐津についてはいろいろな企業からの引き合いもありますけど、先ほどおっしゃっていただいたとおり、実現には至っていないというところでありました。  この新産業集積エリア唐津での企業誘致を実現するために、具体的にいろいろな課題もある中で、やはり求める条件が一致をしないとなかなかそれも実現していかないというふうにも思っておりますけれども、このエリアに企業誘致を実現させるために、何か具体的に取り組んでおられることとかがあれば御紹介いただきたいと思います。 68 ◯大久保企業立地課長=新産業集積エリアの誘致に向けて取り組んでいる状況についてお答えいたします。  新産業集積エリアの誘致に向けまして、企業立地課、それと首都圏事務所、関西事務所の三事務所の中からエリア特任チームというのをつくりまして、その特任チームを用いまして新産業集積エリア唐津への誘致に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。  以上、お答えとします。 69 ◯井上委員=そういった特別の体制も組んでいただいて取組をしていただいているということです。この新産業集積エリア唐津は、厳木多久有料道路の浪瀬インターには僅か二分、長崎自動車道多久インターには十分で接続できるという大変利便性にも優れている地域だと思います。ぜひ企業の誘致ができるだけ早く実現することを願って、次の質問に移ります。  企業誘致の成果と課題について伺いたいと思います。  令和二年度の誘致件数について、どのような状況だったのかお伺いをいたします。 70 ◯大久保企業立地課長=令和二年度の企業誘致の取組についてお答えいたします。  企業誘致を積極的に進めていくためには、投資可能性がある企業や地方展開に関心を示す企業に対して、本県の立地環境をアピールしながら効果的な誘致活動を行っていくことが重要と考えております。  昨年来、新型コロナウイルスの感染拡大により、企業訪問活動に制限がかかったため、令和二年度は、それに代わるものとして、ウェブ会議システムを活用した営業活動を行うとともに、地方展開に関心を持つ企業とのオンライン商談への参加や、ウェブを活用した知事による企業立地セミナーなどを展開したところです。  また、企業の受皿となる産業団地を確保するために、佐賀コロニー跡地と吉野ヶ里町内における県営産業団地の整備に向けた取組を展開いたしました。具体的には、佐賀コロニー跡地について地元と調整しながら、調整池の大きさや位置など、具体的な整備内容の検討を進め、吉野ヶ里町内に整備予定の団地については地元説明会を開催し、測量と基本設計に着手したところでございます。(発言する者あり)申し訳ございません。大変失礼しました。令和二年度の誘致件数についてお答えいたします。  令和二年度の誘致件数は二十三件となっております。内訳としましては、製造系の企業が十二件、事務系の企業が十一件となっているところでございます。  以上、お答えいたします。大変失礼いたしました。 71 ◯井上委員=取組の状況まで大変丁寧に御説明をいただきました。  令和二年度については二十三件の誘致件数があったということで、過去五年の資料も出していただいたんですけれど、五年間で百十五件、企業誘致が実現をしているということであります。  次の質問になりますが、この企業誘致と同時に、安心して働くことができる正社員としての雇用が非常に重要だというふうに私は考えています。誘致を実現した結果、新規地元雇用者数、また、正社員数はどのような状況だったのかをお伺いしたいと思います。 72 ◯大久保企業立地課長=令和二年度の正社員の雇用者数についてお答えいたします。  令和二年度の新規地元雇用者創出数の実績は、操業開始後おおむね三年目の計画ベースで六百六十六人、うち正社員が四百十一人となっているところでございます。  以上、お答えいたします。 73 ◯井上委員=昨年度、令和二年度は六百六十六人採用があったうち、四百十一名が正社員ということであります。正社員の方の雇用創出については、今後も力を入れて取組をしていただきたいと思っています。  それでは、課題について伺いたいと思いますが、令和二年度の成果を踏まえて、どういった課題があるのかお伺いをしておきます。 74 ◯大久保企業立地課長=課題についてお答えいたします。  誘致件数は二十三件と、総合計画二〇一九で目標としている十五件を上回りましたが、正社員雇用者数は前年度の百八十四人から令和二年度は四百十一人と増加したものの、目標としている四百八十人には届きませんでした。  正社員雇用者数が伸び悩んだ原因としましては、誘致に力を入れているIT関連企業などの立地が順調に進み、そこでの正社員雇用は進んだものの、コロナ禍において企業の設備投資に慎重さも見られたことや、企業の受皿となる県内の産業用地のストックが大幅に不足していることから、大きな雇用を生み出す大規模な工場等の立地が多くなかったことが挙げられます。  企業のタイミングや規模に合わせた産業用地の確保が課題となっており、さらに力を入れていく必要があると認識しているところです。  以上、お答えいたします。 75 ◯井上委員=この企業誘致については、それぞれの企業のニーズと受け入れる側のニーズがしっかりマッチングをしないと、なかなか実現が難しいというふうに思います。  いろいろな課題がある中で、今後の企業誘致の取組について、どのように取り組んでいかれるのかお伺いをします。 76 ◯大久保企業立地課長=今後の取組についてお答えいたします。  本県の持続的な発展のためには、若者が県内で就職したいと思ってもらえるような雇用の場を創出し、県内就職者数を増やしていくこと、さらには、県外から戻ってくる若者や子育て世代を増やしていくことが重要と考えております。  このため、正社員雇用の創出が期待できる高度なものづくり企業や、若者からのニーズが高いIT関連企業などターゲットを絞りながら、若者や子育て世代の定着につながる正社員雇用の創出という雇用の質にこだわった誘致活動に努めてまいりたいと考えております。  また、企業の受皿となる産業用地が大幅に不足していることから、県と市町が一体となって産業用地の確保に向け取り組み、大きな雇用を生み出す製造業の誘致につなげていきたいと考えております。  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いまして、企業を取り巻く環境が大きく変化しております。こうした変化も捉えながら、ウイズコロナ、アフターコロナに対応した企業誘致活動を行っていきたいと考えております。  以上、お答えいたします。 77 ◯井上委員=ぜひ関係機関とも連携を強化していただきながら取組を推進していただきたいと思います。  最後の玄海地区の水産振興についてお伺いをしたいと思います。
     本県玄海地区は、対馬暖流の影響下にある壱岐水道の外洋性漁場や、唐津湾や仮屋湾などの内湾性漁場を有し、リアス式海岸が続く中に砂浜が点在するなど、多様な漁場を有しています。そこでは、小型底引き網、五智網、はえ縄、採貝藻、一本釣りなど、いろいろな漁場環境に応じた様々な漁業が営まれています。こういった基幹産業の一つとして地域を支える大きな役割も果たしているところです。  しかしながら、今日の玄海地区の漁業、漁村を取り巻く情勢は、ウニやアワビ類といった磯根資源をはじめとした水産資源が減少して、魚価の低迷、操業コストの高騰、さらには新型コロナウイルスの感染拡大による需要の低迷なども相まって、大変厳しい状況に置かれています。  こういった現状から、漁村での後継者離れを心配する声も多くあり、引き続き水産資源を増やすための種苗放流などの取組や低迷した需要の回復など、様々な取組を粘り強く行っていくことが必要となっています。  地球環境の変化、海水の温度の上昇など、海の中の環境までもが大きな変化をしている中で、今後も本県玄海地区の活力を維持向上させていくためには、基幹産業である漁業の振興を総合的に進めていくことが大切だと思います。  そこで、まず一点目に水産業の現状について伺いたいと思います。  玄海地区における最近十年間の漁獲量の推移はどのような状況になっているのかお伺いをします。 78 ◯中島水産課長=玄海地区の漁獲量の推移についてお答えいたします。  玄海地区におきます漁獲量につきましては、平成二十二年から令和元年までの十年間の推移を農林水産統計年報で見てみますと、平成二十二年に一万二百八十二トンであったものが、その後、増減を繰り返しながら減少しておりまして、直近の令和元年には三千六トンとなっておりまして非常に減少しております。  以上でございます。 79 ◯井上委員=漁獲量が大変落ち込んでいるという状況です。  そういった中で、漁業就業者数についてもお伺いをします。 80 ◯中島水産課長=玄海地区における漁業就業者数につきましてお答えいたします。  玄海地区の漁業就業者数は、漁業センサス、国勢調査によりますと、平成二十年には千五百六十六人であったものが最新の平成三十年では九百九十三人となっておりまして、平成二十年と比べますと約三六・六%減少しております。  以上でございます。 81 ◯井上委員=先ほど農業の話もありましたけれども、本当に自然を相手にする産業の中で、やはり自然環境の変化であったり、海であれば、いろいろな投資、船舶を購入するとか、組合員になって活動する、そういったいろいろな問題もあろうかと思います。そういった中で、漁業に従事される就業者数も減っている状況について、やはり地元でも漁業の後継者をしっかり育てていきたいという思いも強く持たれているところです。  次の質問の新型コロナウイルス対策の取組について伺います。  水産関係では、新型コロナウイルス対策として消費拡大キャンペーンや県産水産物の学校給食への提供など、様々な取組を実施していただいております。  そこで、次の点について伺います。  まず、新型コロナウイルスによる水産業への影響についてです。  新型コロナウイルスの感染拡大に伴うインバウンドの減少や外食控えなどによって、水産物の需要が低迷するなどの影響があったというふうに聞いていますけれども、その現状はどうだったのかをお伺いいたします。 82 ◯中島水産課長=新型コロナウイルスによります水産業への影響についてお答えいたします。  本県の玄海地区におけます新型コロナウイルスの影響としましては、特に令和二年四月から六月頃におきまして、主に飲食店で提供されますクエですとかケンサキイカなどの中高級魚につきましては、飲食店が休業しましたことにより需要が低迷して、市場での価格が下落しております。  それと、養殖のマダイですとかブリなどについては、取引価格を下げても引き合いがなくて、出荷が停滞して、餌代などのコストが漁家経営を圧迫するということなどが見られております。  以上でございます。 83 ◯井上委員=本当に大変な影響があったというふうに聞いています。  そういった中で、令和二年度については水産物の消費回復のために、県では「佐賀ん魚応援事業」、「食べて応援!佐賀ん魚学校給食提供事業」を実施されています。その具体的な取組、また成果はどのようになっているのかをお伺いいたします。 84 ◯中島水産課長=令和二年度のコロナウイルス対策の具体的な取組と成果についてお答えいたします。  令和二年六月補正で措置しました「佐賀ん魚応援事業」では、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込みました、特に中高級魚の需要を回復させるために、県内の飲食店百十一店舗を「佐賀ん魚応援の店」に認定しまして、令和二年十二月より、県産水産物の地産地消キャンペーンに取り組んだところでございます。  事業実施後の令和三年三月に認定店に対し行ったアンケートの結果では、六〇%の店舗が佐賀ん魚の取扱量が増加したと回答するなど、需要の回復に一定の効果が見られております。  また、令和二年五月補正で措置しました「食べて応援!佐賀ん魚学校給食提供事業」では、出荷が滞っておりました養殖魚を中心に、学校用給食の食材として提供することで、新たな需要の創出と食育意識の醸成に取り組んだところでございます。  この実績としましては、県内の完全給食を実施する小中学校、その他の学校二百四十三校に対しまして、マダイやブリの切り身など延べ三十五・五万食、それと、完全給食を実施していない中学校二十七校に対しまして、家庭で食べていただけるマダイのレトルト加工食品、炊き込み御飯のもと十二万食を提供したところでございます。  養殖業者の皆さんからは、この事業のおかげで停滞していた出荷を再開して、空いた養殖いかだに計画どおりにまた次に出荷するための稚魚を導入することができたなどの声が寄せられたところでございます。  以上でございます。 85 ◯井上委員=二つの事業を今御紹介いただきましたけれども、本当に大きな成果、また事業者、漁業をされる方々も喜んでいただいているということであります。  こういった取組をしてこられる中で、県として課題についてはどのように捉えられているのかお伺いをしたいと思います。 86 ◯中島水産課長=この事業におきまして、先ほど申し上げましたように、新たな需要の創出と食育意識の醸成に取り組んだところでございますが、これを基に、若い子供たちがこれからもどんどん魚を食べていただけるようにというふうになればというふうに考えております。  以上でございます。 87 ◯井上委員=地元の魚を食べていくということで食育にもつながっていくと。そういった大きな効果、成果もあるということなので、コロナ禍ということは関係なく、よい部分については引き続き取組もしていただけたらなというふうに思います。  (三)の磯根資源造成対策事業について伺いたいと思います。  ウニ、アワビ類などの磯根資源は、玄海地区の重要な水産資源であるというふうに認識をしています。県では、磯根資源造成対策事業に取り組まれていますけれども、まず、この事業の目的と内容について伺いたいと思います。 88 ◯中島水産課長=磯根資源造成対策事業の目的と内容についてお答えいたします。  玄海地区のマダイですとかイカなどと並びまして主要魚種でございますウニ、アワビなどの磯根資源は、近年、海水温の上昇に伴いまして、食用とならない南方系のガンガゼというウニなどが増えまして、それと赤潮が発生したりしたことで、これらの影響により減少しております。  このため、令和元年度から磯根資源造成対策事業により資源回復に取り組んでいるところでございます。本事業では、直接的な資源の増大を目的に、県による大規模な種苗放流を実施するとともに、漁業者の方自らが行う資源管理ですとか漁場環境の保全などの取組を推進することとしております。  以上でございます。 89 ◯井上委員=この磯根資源については、私も以前質問をさせていただいたんですけれど、ガンガゼが原因で磯根資源がなくなっていくということ、また、バリですね、アイゴというふうにも言われますけれど、そういった魚が海藻を食べたり、そういったことが原因になっているということも言われていました。  こういった中で、磯根資源造成をするために事業をされていますけれども、令和二年度までの成果と課題はどのようになっているのかお伺いをします。 90 ◯中島水産課長=令和二年度までの成果と課題についてお答えいたします。  種苗放流につきましては、アカウニの種苗は令和元年度からの二年間の合計で百万個体を、ナマコの種苗は同じく二年間の合計で七十五・六万個体、それと、アワビの種苗は令和元年度では三十ミリの種苗を九千六百個体、令和二年度は卵を産みます十センチの母貝ですね、親貝百五十キロの放流を実施したところでございます。  また、漁業者自らが行っていただきます取組の推進につきましては、玄海水産振興センターの指導により、漁業者の意識が向上しつつあります。具体的には種苗の生残率を、放流した後の残る率を向上させるために、これまで船の上から、海面から直接ばらまいて放流していたのを、潜って優しく岩の下に入れ込むような放流に変更しております。  それと、藻場の保全のために、先ほど委員のほうからもありましたが、ガンガゼを駆除したり、ガンガゼの駆除について作業日数を何日も増やしたり、作業する範囲を拡大したりしております。それと、藻場の大切さを一般の方にPRするために、漁業者の中でユーチューブチャンネルを開設したということも行われております。これらの自主的な取組が行われているところでございます。  今後の課題としましては、近年の温暖化の影響を受けまして、磯根資源を育む藻場への影響が懸念されていることから、引き続き藻場の繁茂状況を把握しながら必要な対策を講じていくことにしております。  以上でございます。 91 ◯井上委員=種苗の放流であったり、藻場の造成についても長く取組をしていただいていると思います。  そういった中で、藻場の造成についてはいろいろな地域でやっていただいていると思いますけれども、実際に藻場がしっかりと繁茂しているかどうかという状況の確認、これについてはどういうふうに行われているのかお伺いしたいと思います。 92 ◯中島水産課長=藻場の繁茂状況の確認について御説明いたします。  藻場の状況につきましては、いろんな手法、例えば、航空機を用いて撮影して藻場の繁茂状況を調べたり、場所によりましては、実際、ダイバーの方が海の中に潜っていただいて藻場の状況を調べたりと、複合的な方法で、今のところ十年に一回程度、定期的に推移を調べております。局所的に磯焼けが起きたという報告がありましたら、そこは玄海水産振興センターが対応して、その都度、状況を把握するようにしております。  以上でございます。 93 ◯井上委員=確認する期間について、十年に一回という状況ですか。十年に一回という状況だと、すぐに繁茂してくるという状況でもないということも分かるんですけれども、もう少し密にその状況の確認が必要なのかなというふうにもちょっと感じるんですが、そういったところについてはどんなふうにお考えですか。 94 ◯中島水産課長=私のちょっと説明足らずなところがございまして、十年に一回と申しますのは、全ての海岸、離島の海岸も含めまして、玄海一円の全体調査を十年に一回やっておりまして、それ以外のスポット的な調査は随時、毎年というか、定期的にやっております。  以上でございます。 95 ◯井上委員=大変大きい面積でもありますので、そういったスポット、スポットをしっかり確認していただきながら、しっかりとした成果を出していただきたいと思います。  次の新規漁業就業者支援事業について伺います。  漁業、漁村の持続的な発展を図っていくためには、これからの漁業を担っていく新規就業者の確保、また育成が重要だと思います。県のほうでは、新規漁業就業者支援事業に取り組まれておりますけれども、玄海地区における本事業の取組状況について伺いたいと思います。  まず、事業の目的と内容はどうなっているのかお伺いをします。 96 ◯中島水産課長=新規漁業就業者支援事業の目的と内容についてお答えいたします。  県では、新規就業者の確保に向けまして、平成二十五年度に県、市町、関係漁協で組織します佐賀県新規漁業就業者支援協議会を設置しまして、新規就業者支援の取組を実施しているところでございます。  この協議会では、平成二十五年度から国の事業を活用しまして、一年から三年間の長期研修を実施しておりましたが、それに加えまして、平成二十七年度から県独自の三日間、あるいは十日間の漁業体験を行う新規漁業就業者支援事業をスタートしたところでございます。  また、令和元年度より、長期研修を修了した方を対象に、漁業に必要な漁具の購入費や操業に係る経費に対する支援を拡充したところでございます。  具体的には、独立した漁業者を目指す新米漁師の漁業経費を対象に、最長三年間で最大二百四十万円を支援しております。  以上でございます。 97 ◯井上委員=この新規漁業就業者については、動画なども作られていろいろな情報発信もされていたというふうにも思います。  そういった中で、令和二年度までの成果と課題はどのようになっているのかお伺いをいたします。 98 ◯中島水産課長=令和二年度までの成果と課題についてお答えいたします。  漁業体験の平成二十七年度から令和二年度までの実績としましては、三日間の漁業体験をした方が四十一名、十日間の漁業体験をした方が二十四名となっております。これによりまして、国の事業を活用した長期研修の研修生の増加につながりまして、令和二年度までに研修を修了した二十三名のうち、十六名が漁業に就業していただきまして、就業率は約七〇%となっております。  また、これまで七名の新規就業者について、漁業機器の導入や漁船の燃料代、養殖用の種苗、餌の購入経費等に対して支援を行っているところでございます。  課題としましては、やはり漁業就業後の経営計画が不安であるとの意見が多く聞かれておりますので、この新規就業者に対する漁業経営計画の策定指導が必要であるというふうに考えております。  以上でございます。 99 ◯井上委員=この就業者の取組については、二十三名が国の事業に取り組んで十六人の方が実際漁業に関わられるようになったということで、七割以上の方がそういう方々になっています。  一方で、実際経営をするとなった場合の投資であったり、うまく成果が出るのかというところは、農業も大変ですけれども、漁業もまた本当に大変な状況で経営が求められていくと思います。そこについてのしっかりとしたフォローもお願いをしたいと思います。  最後に、玄海地区の水産振興に向けた今後の取組についてお伺いをします。  県では、玄海地区の水産振興に向けて、今後どのように取組をされていくのかお伺いします。 100 ◯中島水産課長=玄海地区の水産振興に向けた今後の取組についてお答えいたします。  県では、先ほど申し上げましたように、玄海地区の水産振興を図るために様々な取組を行ってきたところでございます。  特に令和二年度は、先ほどお答えした「佐賀ん魚応援事業」などによって、コロナ禍で落ち込んだ需要の回復に努めたところでございます。その取組によって飲食店や流通業者とのつながりやキャンペーンに関するノウハウなどが得られましたので、これを生かしながら、令和三年度からは、さらに需要を拡大させる取組を進めているところでございます。  今後とも、漁業者の皆さんや漁業団体、関係市町などと連携しながら、新型コロナウルイスや想定を超える自然災害などの苦難が続く中でも、そのピンチをチャンスに変えるなどの柔軟な発想を持ちながら、あらゆる可能性にチャレンジをするなど、玄海地区の水産振興に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 101 ◯井上委員=ありがとうございました。  本当にこの一次産業というものは、本県の基幹産業として大変重要なものであると思っています。先ほどありました水産資源の減少であったり、漁価の低迷、コロナの影響からいろいろな問題もある中で、後継者の問題についても大変大きな問題を抱えておられると思います。そういう中で、地球温暖化の影響によっても、玄界灘のほうではこれまで確認をされていなかった熱帯魚のクマノミ、「ファインディング・ニモ」という映画でよく知られている、ああいった熱帯魚がこれまで越年をしていなかった、そういったものが冬を越す、こういった環境の変化も見られています。  SDGsでは、海の豊かさを守ろうということも訴えられていますけれども、様々な社会状況の変化や環境変化、こういった中で、今後、どういう思いで玄海地区の水産振興の取組をされていくのか、部長の思いを最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。 102 ◯池田農林水産部長=部長の思いということでお答え申し上げます。  玄海地区の漁業につきましては、先ほど課長から話がありましたように、そしてまた、委員から御指摘がございましたように、漁獲量の減少だとか漁価の低迷、あるいは漁業従事者の減少、そういった厳しい状況があるというふうに認識をしているところでございます。  このため、まずは水産資源を回復させるために、藻場の造成だったり種苗の放流などに取り組んでおりますし、また、担い手を確保するため様々な研修を実施しておりますし、それとまた、需要拡大を図るために「佐賀ん魚応援事業」ですとか、今年度は「唐津ん魚こだわりの店」というのを認定して、さらに需要拡大を図ることといたしているところでございます。  それとまた、自然を相手にというお話がございました。県では、ICT技術を活用しまして、数日後までの海況だったり、あるいは良好な漁場を予測することを可能としまして、そのことによって操業の効率化だったり、コストを低減する、そういったスマート漁業の試験研究にも取り組み始めたところでございます。  今後とも、より効果的な取組を創意工夫しながら、そして粘り強く進めまして、玄海地区の漁業振興にしっかりと取り組んでまいります。  以上、お答えいたします。 103 ◯岡口委員長=暫時休憩します。十三時十分をめどに委員会を再開します。     午後零時八分 休憩     午後一時十分 開議 104 ◯岡口委員長=委員会を再開します。
     休憩前に引き続き質疑を行います。 105 ◯古賀和浩委員=皆様お疲れさまでございます。自由民主党の古賀和浩でございます。今日の最後の質問者でたくさんの数の質問になってしまい、申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。  九月の常任委員会の質問項目と同じような質問になっていますが、この決算特別委員会は木曜に弘川委員がおっしゃっていました令和二年度を振り返り検証した上で、令和四年度に向けての事業を検討すべき大事な委員会でございます。繰り返し質問するということは、それだけ県民の思いが強い事案だと認識していただき、ぜひ実現に向けて努力していただきたいと思っております。  それでは、質問に入ります。  問いの一、中山間地域農業についてであります。  中山間地域の農業についての私の思いをまずはお話しします。  中山間地域農業を営むことは、国土の保全、水源の涵養などの多面的な機能はもとより、清流流れるきれいな山里の景観や文化、豊かな暮らしを守るためにも極めて重要な役割を果たしていると考えております。また、その景観や文化や暮らしそのものが佐賀県の魅力の一つだと考えております。  しかしながら、中山間地の農業は平たん地域に比べ、農業者の高齢化や担い手の減少が進んでおり、圃場が狭く傾斜もきつい上、鳥獣被害の発生などの問題があり、後継者の継承も厳しい状況で、このままでは中山間地域農業がさらに衰退していくのではないかと危惧をしております。  こうした中、佐賀県では国の中山間地域等直接支払制度の推進や有害鳥獣対策をはじめ、平成三十年度からは「それぞれの中山間チャレンジ事業」に取り組まれ、中山間地域における農業、農地の維持や農業所得の向上に向けた取組が進められています。  そこで、次の点についてお伺いします。  「それぞれの中山間チャレンジ事業」についてです。  まずは、令和二年度の取組についてです。  県では「それぞれの中山間チャレンジ事業」に取り組まれていますが、令和二年度ではどのような取組を行ったのでしょうか。 106 ◯池田農政企画課長=「それぞれの中山間チャレンジ事業」の令和二年度の取組についてお答えいたします。  中山間地域農業には、それぞれの地域におきまして様々な課題があり、地域によっては解決の糸口をなかなか見つけることのできない、そういう状況にあると考えております。  こうしたことから、中山間地域のそれぞれの集落や産地が自ら行う課題の解決に向けた取組を後押しし、農業、農地の維持や農業所得の向上につなげていくために、「それぞれの中山間チャレンジ事業」を平成三十年度から実施しております。  本事業では、主に農業、農地の維持に取り組む「チャレンジ集落」や、農業所得の向上に取り組む「チャレンジ産地」を市町が選定し、それぞれの集落や産地における課題の抽出及び解決策の検討、その実現に向けた具体的な取組などについて、市町や県など関係機関が一体となって支援を行っているところでございます。  令和二年度は、「チャレンジ集落」等でのワークショップや研修会などを行う六市町に対し補助を行いますとともに、農林事務所単位に設置する地域推進チームによる集落リーダー研修会の開催や地域の話合いへの参加、新規品目の実証展示圃の設置等によりまして、地域段階の活動を促してまいりました。  また、県段階におきましては、市町や県の職員など支援チーム向けのスキルアップの研修、それから、農業改良普及員や市町職員OBが集落等へ助言を行います「ふるさと営農盛り上げ隊」設置、これは五名設置しております。また、地域貢献活動に前向きな企業等が集落と協定を交わし、草刈り作業などの協働活動を行います「さが中山間協働応援隊」事業により、企業等への活動費補助を四件行ってまいりました。さらに、県内優良事例集の作成などに取り組んできたところでございます。  以上、お答えします。 107 ◯古賀和浩委員=佐賀県として様々な事業を展開されていらっしゃいます。ありがとうございます。しかし、令和元年度に比べ、令和二年度の決算額は減少しております。中山間地域農業が難しく、事業展開が難しいとは思いますし、コロナや災害などの要因も含まれているとは思いますが、令和二年度の決算額についてお伺いします。  令和二年度の決算額が約千二百五十万円と、令和元年度決算額の千六百三十万円より減少しているのはなぜでしょうか。 108 ◯池田農政企画課長=令和二年度の決算額についてお答えいたします。  令和二年度は、委員がおっしゃいましたように、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、人の集まりや移動、交流などを自粛せざるを得ない状況にございました。特に高齢者が多い中山間地域の集落におきましては、感染防止を優先する必要があったことから、本事業で計画をしておりました集落での話合い、研修会や先進地視察、そういったものの中止や縮小によりまして、決算額が前年度を下回る結果となったところでございます。  以上、お答えします。 109 ◯古賀和浩委員=やはりコロナでいろいろな形で取組を修正しなければいけなかったということは理解しました。しかし、私の周りではやはり年々耕作放棄地が広がっているような場所があります。そうかと思えば、新規農業者が来られて、また、共同作業をされている地区が増えたり、様々な場所があって、中山間地域農業といっても、いろいろな形で何とかして取り組もうというような地域の努力が少しずつ出てきているのかと思っております。  そこで、これまでの成果と課題についてお伺いいたします。  これまでの取組において、どのような成果が出ているのでしょうか。一方で、なかなか成果が出ず、課題となっていることはないのでしょうか。 110 ◯池田農政企画課長=これまでの成果と課題についてお答えいたします。  これまでの取組を通じまして、令和三年十月末時点で「チャレンジ集落」が十八地区、「チャレンジ産地」が延べで三十九地区選定されておりまして、それぞれの地域において、話合いによる将来ビジョンの作成や課題解決に向けた取組が行われております。  具体的な取組の成果としましては、「チャレンジ集落」では、所得の向上に向けて、武雄市若木地区の高菜や唐津市鎮西町石室地区の根深ネギなど、新たな露地野菜の作付体制づくりや試験栽培が始まったところでございますし、また、農業生産の維持に向けて、佐賀市富士町北山西部地区では、五つの集落を範囲としました広域の営農法人が今年の四月に設立され、ドローンでの防除や草刈り作業の受託が始まっております。  また、「チャレンジ産地」では、梨産地の担い手確保対策としまして、伊万里市立川地区で就農希望者向けのお試し研修を実施されたところ、参加された静岡県の御夫婦一組が伊万里市に移住され、十月から長期研修を開始されたところでございます。また、ミカン産地の取組として、佐賀市大和町横馬場地区では、集落のミカン園マップの作成を契機としまして、耕作放棄地にミカンを新植されたところでございます。また、鹿島市嘉瀬ノ浦地区では、根域制限栽培団地の整備に向けた取組が進められているところでございます。  このように、地域それぞれの取組が徐々に進んできている一方で、地域によりましては、集落の会合には家長である高齢者世代の参加が多くて、前向きな意見が出にくいといったことでございますとか、行政や有識者主導で集落の話合いを進めたところ、集落が受け身になってしまい、具体的な実践活動への移行に至っていないというような課題も見られるようになってきたところでございます。  以上、お答えします。 111 ◯古賀和浩委員=やはり地域によって様々な事情があったり、また、問題があったりしているところが確認されました。やっぱり様々な成果や課題もある中山間地域農業ですが、今年の四月に佐賀県の農林業センサスが出されました。そこでは農業個人経営体の数は二〇一五年から二〇二〇年の五年間に一万五千九百九十四戸から一万三千四百十七戸と一六・一%減少しています。農地を借りて耕作する借入農地や一農業経営体当たりの経営耕地面積は増えているものの、経営耕地総面積は同じく五年間で四万四千三百八ヘクタールから四万一千八百三十六ヘクタールと二千四百七十二ヘクタール減少し、年々減ってきております。農地から住宅地に変更された土地も多いと思いますが、開発されずに耕作放棄地になっているのは中山間地域の農地が多いのが現状でございます。  そこで、現在、令和三年度の途中ですが、令和四年度に向けて、今まさに様々な事業が検討されていると思いますので、今後の取組についてお伺いします。これまでの取組や成果や課題を踏まえて、今後どのように取り組まれる予定なのでしょうか。 112 ◯池田農政企画課長=今後の取組についてお答えいたします。  中山間地域農業の振興においては、地域ぐるみで課題を共有し、まずはできることから実践して、スモールサクセスによる成功体験を重ねていくということが地域での取組の継続と発展につながるものと考えております。  そのためにはまず、話合いの活性化が図られるよう、女性や若手の参加を呼びかけ、意見を出しやすい話合いの場づくりを行うとともに、また、実践活動を促すため、専門家が助言、後押しをするアドバイザー派遣事業を今年度から実施するなど、地域の取組を一層支援していくこととしております。  また、それぞれの取組の中で出てきた課題やその対応策、実践事例といったものを取りまとめ、関係機関とも共有しながらほかの地区への横展開に生かしていくことも重要と考えております。  引き続きこうした地域への支援を通じまして、市町や県の支援チームにおきましても地域とともに経験を積みながら、中山間地域農業の新たなチャレンジにつなげてまいります。  以上お答えいたします。 113 ◯古賀和浩委員=いろいろな取組をさらに深めていっていただいて、特に先ほど言われました横展開、やはり自分たちで考えるだけではなくて、隣を見て同じような条件のところを見て参考にして取り組むというのが非常にしやすいような、農業というのはそういうことが多いと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、「佐賀段階 米・麦・大豆競争力強化対策事業」についてお伺いします。  中山間地域農業を考えた場合、農地を守るという観点からは水田農業が基本であると考えています。こうした中、県では水田農業の経営体質を強化するために「佐賀段階 米・麦・大豆競争力強化対策事業」に取り組まれているところであります。  事業の概要についてお伺いします。まず、本事業の概要はどのようになっているのでしょうか。 114 ◯竹下農産課長=事業の概要につきましてお答えをいたします。  「佐賀段階 米・麦・大豆競争力強化対策事業」については、集落営農法人等を対象にしまして、大幅な省力化、低コスト化が可能となります水稲直まき用機械などの革新技術の導入を進める超省力・低コスト化タイプ、また、高品質化や安定生産につながります乗用管理機などの導入を進める高品質・安定生産推進タイプに加えまして、中山間地域等における効率的な生産体制の確立を進める中山間地域等担い手育成タイプの三つの区分を設けまして、農業用機械等の導入を推進しているところであります。  このうち中山間地域等担い手育成タイプにつきましては、高齢者や担い手の減少が進む中山間地域において、農業機械の共同利用や農作業の共同化など、集落を単位としました営農組織の取組を進めていくため、本事業のタイプに限りまして事業実施主体については、集落営農法人だけではなく三戸以上の農業者が組織する団体に緩和をしております。さらに、補助対象機械につきましては、平たん地域で対象となっていないトラクターや田植機なども事業対象としております。  また、一つの集落だけでは営農を維持することが難しくなってきている地域もあることから、集落内にとどまらず、より広域での取組も推進するため、集落内の農作業だけではなく、ほかの地域の農作業も請け負う農作業受託組織や、複数の集落で構成された農作業を広域に受託する広域営農組織の取組については、県費補助率を三分の一から二分の一にかさ上げをして支援を強化しているところであります。  以上お答えします。 115 ◯古賀和浩委員=それでは、令和二年度の実績についてお伺いします。  本事業のうち、先ほど言われました中山間地域等担い手育成タイプにおける令和二年度の実績はどのようになっているのでしょうか。  また、令和二年度の決算額が約千三十万円と、令和元年度の決算額約二千百九十万円より減少しているのはなぜでしょうか。 116 ◯竹下農産課長=令和二年度の実績についてお答えをいたします。  中山間地域等担い手育成タイプにおける令和二年度の実績については、機械利用組合等の任意団体九組織に対しまして、トラクター三台、コンバイン三台、あぜ塗り機三台の導入を支援したところであります。  この中には、中山間地域の農地を守るため、個人で機械導入を希望していた若い農業者に対しまして、農業改良普及センターや農林事務所が中心となりまして、地域内の農家にも呼びかけて農業機械の利用組合を設立し、本事業を活用し、トラクターを導入された事例もございます。  また、本事業は、県はもとより市町やJAの関係団体を通じまして事業の活用推進を図っているところでありますけれども、令和二年度は令和元年度に比べ農家からの申請件数が少なかったことや、組織内での合意がなされず、要望を取り下げられた組織もあったことなどから、決算額が減少したものというところで見ております。  以上お答えします。 117 ◯古賀和浩委員=農家からの要望が少なかったというのは、その原因というのはつかんでいらっしゃるのでしょうか、お伺いします。 118 ◯竹下農産課長=その年々に農業機械等の要望、ニーズ等がございまして、そのときに多い少ないとかというのも一つの要因とは思いますけれども、もう一つは、先ほど農政企画課長からの答弁にありました、地域での話合いと取りまとめ等といったものがうまくいかなかった事例というのも聞き及んでおります。そういったものが取りまとまるよう支援等も進めていきたいと思っております。  以上お答えします。 119 ◯古賀和浩委員=了解しました。ただ、どの業種にも当てはまりますが、担い手がやっぱり一番課題かなというふうに思っております。  この土日にもう一回農家の訪問をしてきました。いろんなお声をお聞きしてきたんですけど、やっぱり担い手不足が一番の課題だと言われております。令和四年度は担い手育成にもっと力を入れてもらいたいというふうに思っております。  中山間地域で農業を営まれていらっしゃる方の中には、四年連続で大雨での浸水や土砂崩れなどの被害で農地をどうしようかと考えていらっしゃる方も多いのではないかなというふうに思います。ただ、コロナで地方に目が向けられている時代で、地方での農業はそのチャンスをつかまなくてはいけないと思っております。  稼げる農業や大規模農家を進められるのは大賛成で応援したいと思っていますが、中山間地域の農家はほとんど兼業農家であり、家族農業であります。佐賀県として中山間地域の水田の農家を守っていくという気持ちで、中山間地域農業の最後の質問をいたしたいと思います。  今後の推進についてです。厳しい状況に置かれている中山間地域の水田農業を振興していくため、本事業における中山間地域等担い手育成タイプを今後どのように推進していくのでしょうか。 120 ◯竹下農産課長=今後の推進につきましてお答えをいたします。  県としましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、中山間地域の水田農業が維持されますよう、支援対象者や対象機械について平たん地よりも要件を緩和するとともに、作業受託組織や広域営農組織などの地域で連携した取組を強く推進していくため、補助率をかさ上げして支援をしているところであります。  これらの取組に加えまして、令和三年度には広域組織を設置されました場合の支援対象機械について、防除作業に活用可能な農業用ドローンを追加したところであります。こうした中、佐賀市富士町で五集落、約六十ヘクタールの広域組織が設立されまして本事業を活用してドローン二台を導入し、組織内で約九三%に当たる面積で防除作業が行われるとともに、地域外からも約二ヘクタールの作業受託をされるなど、地域で農地を守る取組の一歩を踏み出されたところであります。  中山間地域の水田は大変厳しい状況にございますけれども、今後も市町や関係機関・団体と連携し、事業が有効に活用されますよう、支援内容の周知に努めるとともに、中山間地域の水田農業が維持されるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上お答えします。 121 ◯古賀和浩委員=令和四年度に向けてさらなる事業を展開していただきたいと思います。  私この質問を考えていたときに、家で日本農業新聞を取っていまして、農村RMO育成へという記事が載っていて、これは農水省が二〇二二年度から中山間地域で、農地保全や住民の生活支援などを担う農村地域づくり事業体の育成を始めるという記事が載っておりました。  こういうふうに農水省も中山間地域等の進めをやっておりますので、しっかり国と県と市町と、また、現地できちんと農業を守っていらっしゃる農家の方々と連携をして進めていってもらいたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは問いの二、多様な森林(もり)づくりについてです。  問二も常任委員会の林道の質問をした内容に近いのですが、最近の災害を見ていると、改めて日頃の森林管理の大切さを感じております。よって、林道だけではなく、森林に対しての取組について質問をします。  森林は、木材の生産をはじめ、水源の涵養や土砂の崩壊防止など、様々な機能を持っており、中山間地域に暮らす人たちだけではなく、下流域の住民を含めた全ての県民に恩恵を与えています。私は、私たちの生活はもとより、農業や水産業を営む上において重要な役割を果たしている森林を適切に管理し、次の世代に引き継いでいくことが必要であると考えております。  このような中、県では、間伐などの森林整備をはじめ、崩壊地の復旧等を行う治山対策や、県民に森林の大切さを普及啓発するなどのソフト対策に取り組まれ、多様な森林(もり)づくりを推進されていらっしゃいます。  そこで、次の点についてお伺いいたします。これまでの取組についてです。  多様な森林(もり)づくりを推進するために令和二年度までどのような取組を行ってきたのかお伺いいたします。  まず最初に、間伐の実施状況についてですが、令和二年度までの間伐の実施状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いします。 122 ◯吉良森林整備課長=多様な森林(もり)づくりのこれまでの取組のうち、まず、令和二年度までの間伐の実施状況についてお答えいたします。  県では、森林は平野部の暮らしを支え、海への恩恵をもたらす源であることなどを踏まえまして、「佐賀県総合計画二〇一九」に基づき、間伐や広葉樹植栽などによりまして多様な森林(もり)づくりに取り組んでいるところでございます。  このうち間伐につきましては、県が杉やヒノキの人工林のうち手入れが行き届いていない森林を対象としまして、佐賀県森林環境税を財源に行います「さがの森林(もり)再生事業」や、あるいは森林組合などの林業事業体が国庫事業を活用して行います造林事業などにより実施してございます。  令和二年度の実績としましては、間伐の面積で目標の二千百ヘクタールに対しまして千三百四十六ヘクタールとなっておりまして、令和元年度からの累計は、目標の四千百ヘクタールに対しまして二千九百四十六ヘクタールでございます。その累計の達成率は七二%にとどまってございます。  目標を達成できなかった要因といたしましては、森林所有者の意向が、間伐だけではなく全ての木を伐採いたします皆伐への意識も変わってきたこと、あるいは間伐の作業現場が林道などの道路から離れた奥地にあり、さらに、急傾斜地などで作業経費がかさんだことなどが考えられるところでございます。  以上でございます。 123 ◯古賀和浩委員=間伐などの管理をしていても、やはり最近の豪雨災害で被害が起きている場所があり、また、被害が起きている場所の復旧にも何年もかかるような事業というか、そういう場所が発生しています。  そこで、治山事業について質問をいたします。治山対策の実施状況についてです。  令和二年度までの治山対策の実施状況はどのようになっているのでしょうか。 124 ◯吉良森林整備課長=治山対策の実施状況についてお答えいたします。  県では、集中豪雨等による山地の崩壊や土石流災害が発生した場合などの治山対策といたしまして、崩壊斜面の復旧や土石流の発生を抑止するための治山ダムの設置などを実施してございます。  令和二年度の実績は、箇所数で、目標の二十一カ所に対しまして十六カ所となってございまして、令和元年度からの累計は、目標の四十二カ所に対し三十一カ所で、その達成率は七四%にとどまってございます。  目標を達成できなかった要因といたしましては、近年の豪雨によりまして被害が大規模化しておりまして、これまで一ないし二年で完了していたものが、最近は三から五年と長期化している傾向にございます。  以上でございます。 125 ◯古賀和浩委員=確かに災害が大きくなっていることがやっぱり治山対策の復旧の状況を遅くしているような状況でございます。了解しました。  そのような実際の対応のほか、森林を守らなければいけないという機運の醸成もそもそも大事でございます。  森林環境の大切さを広める「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」は、私も以前、北山ダムでその取組を見たのですが、非常に分かりやすく、森林を大切にする方が増えていることを期待いたしました。農林事務所の車の横のところにも、「森川海人(もりかわかいと)くん」のステッカーが貼られていますね。そういうふうに広報をされていますけど、知っている方はやはり非常に少ない状況でございます。  「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」はソフト対策として実施されていますが、その状況をお伺いいたします。
     ソフト対策の実施状況についてですが、令和二年度までの「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」などの実施状況はどのようになっているのでしょうか。 126 ◯吉良森林整備課長=ソフト対策の実施状況についてお答えいたします。  県では、県民の財産であります森林の役割やその管理の大切などを知っていただき、次の世代につないでいくために、「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」をはじめ、森林ボランティア等の活動に対する支援に取り組んでございます。  「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」の実施状況といたしまして、三つほど例を挙げますと、「森川海人(もりかわかいと)っフェス」や「森川海人(もりかわかいと)っ一日体験スクール」などの体験イベントの開催をしてございます。あるいは、プロジェクトキャプテン「森川海人(もりかわかいと)くん」でございますけれども、海人君を利用した広報活動、あるいはメディアなど、多様な広報媒体を活用した普及啓発活動に取り組んでございます。  さらに、「漁協の山」や「トヨタの山」など、県と「森川海人(もりかわかいと)っ協定」を締結いたしまして、企業、団体が主体となった山づくりなどに取り組んできたところでございます。  また、森林ボランティア等の活動に対する支援について三つほど挙げますと、森林の手入れに必要な作業用具の貸出しや技術的指導を行う指導員の派遣・あっせん、あるいは、地域住民等のCSOが自ら企画立案し、荒廃森林を再生するための森林整備活動経費に対する助成、さらには、公益財団法人さが緑の基金と連携いたしまして、未来を担う緑の少年団の活動経費に対する助成などに取り組んできたところでございます。  以上でございます。 127 ◯古賀和浩委員=次に、取組の成果についてお伺いします。  これまでの取組によりどのような成果があったのでしょうか。 128 ◯吉良森林整備課長=これまでの取組の成果についてお答えいたします。  杉やヒノキの人工林を対象に間伐を実施したことによりまして、森林内に下層木の成長が促され、地表面を覆うことで土砂の流出防止などの防災機能が高く、生物多様性が豊かな針葉樹と広葉樹が入り混じった針広混交林への誘導が進んでいるところでございます。  また、治山対策におきましては、崩壊斜面の復旧や土石流の発生を抑止するための治山ダムの設置などによりまして、荒廃した林地の復旧や拡大防止が図られ、災害防止などの森林が持つ公益的機能の発揮につながったところでございます。  さらに、「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」などのソフト対策によりまして、令和二年度の森林ボランティアの活動者数は、県が把握しているものだけでも一万百五十八人、また、CSOや企業等による活動団体数につきましては八十八団体となっておりまして、多くの県民の皆様に荒廃した竹林の整備や広葉樹の植栽などの作業に参加していただきまして、森林を大事にするという機運が高まってきていると感じているところでございます。  以上でございます。 129 ◯古賀和浩委員=令和二年度の取組で少しずつ森林の大切さが県民に理解されてきたということですね。  それでは、今後の取組についてです。  多様な森林(もり)づくりを推進するために今後どのように取り組んでいくのでしょうか。 130 ◯吉良森林整備課長=今後の取組についてお答えいたします。  多様な森林(もり)づくりを推進していくためには、引き続き間伐や治山対策を計画的に実施するとともに、県民の皆様の山を大事にする、そして、森、川、海の豊かな自然のつながりを守り、未来につないでいくという機運をさらに盛り上げ、森林の保全活動につなげていただけるよう一層の普及啓発が必要と考えているところでございます。  このため、間伐につきましては、これまでの取組に加えまして、令和二年度から運用を開始いたしました森林クラウドシステム、これは県内の民有林が──国有林以外の森林でございますけれども──約九万五千ヘクタールございまして、その森林について、森林の位置や区域を表す地図、地形図、そこに今生えている木の種類や面積を表す台帳等がございまして、それをパソコンで一元管理しているものでございます。  こういったクラウドシステムを通じまして、県はもとより、市町や林業事業体をネットワーク化いたしまして、各種情報を共有することで、間伐前の現況調査や間伐作業に係るコスト縮減などをやっていきたいと思っています。  また、本年度から新たに森林組合等が作業効率向上のために行います林業機械の導入や、間伐作業の集約化を支援する佐賀の林業再生プロジェクトに取り組むこととしてございます。  また、治山対策につきましては、近年、産地災害が多発していることから、「防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策」に取り組み、土石流等の山地災害のリスクが高い山地災害危険地区について重点的に着手することとしております。  さらに、「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」などのソフト対策につきましては、これまでの取組に加えまして三つほど挙げますと、県民の皆様が森、川、海の学びや体験をしながら県内の魅力を満喫するために企業等が提供するサービスの一つといたしまして、森・川・海体験ツアーの仕組みづくり、あるいは県民の皆様が日常生活の中で、意識的に森、川、海に関する保全活動に取り組んでいただけるように保全行動の具体的事例の紹介、さらには公益財団法人さが緑の基金と連携いたしまして、森林ボランティア団体相互の活動の情報などを共有し、相乗効果で活動を活性化するためのネットワークづくりの検討などに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  今後とも、間伐等の森林整備、治山対策、ソフト対策を効果的に組み合わせながら、多様な森林(もり)づくりにしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 131 ◯古賀和浩委員=令和四年に向けて、今後、新たな取組を進めていって、多様な森林(もり)づくりを推進していってもらいたいと思っております。  それでは、次の質問に入ります。午前中の藤崎委員と重なる部分もありますが、新型コロナに係る事業者支援についてでございます。  令和二年度は、新型コロナウイルス感染症に係る医療体制の整備や感染拡大の影響を受ける事業者への支援に、国、佐賀県、市町共に多額の公金を出さなければいけない状況でした。特に佐賀県は、中小企業の支援の分野では、全国に先駆けて実施した佐賀県新型コロナウイルス感染症資金繰り対策資金は三年間の無利子及び信用保証料を全額補助するという貸付金で、その後、佐賀県新型コロナウイルス感染症対応資金と併せ、多くの中小企業の経営の下支えになり、私のほうにも助かったという声をいただいております。  ただ、別の見方をすれば、多くの企業が多額の負債を抱えて経営を行っていかざるを得ないという状況で、今後の景気の動向によっては返済もままならないという事業者が出てくるのではと不安な部分もあります。  新型コロナ感染症の影響により町に人が流れない状況が続いた頃、「新たなまちづくりチャレンジ支援事業」により町に人の流れを起こす民間事業者の取組に対する支援が行われていました。このような民間事業者の自主的な取組が連鎖的に続くことによって、町に活気が生まれ、消費活動が活発になります。  佐賀県としては、今後このような自主的な取組をしっかり後押しして、県内の中小企業を守っていただきたいと思っております。また、中小企業を守ることが多額の対応資金の返済につながり、新たな投資にそれがつながり、経済好循環の実現につながるのではないでしょうか。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  県の新型コロナ対策資金についてです。  まず、貸付件数及び貸付金額についてであります。  令和二年度の新型コロナ対策資金の額はどのようになっているのでしょうか。 132 ◯八谷産業労働部副部長=県の新型コロナ対策資金の貸付件数及び貸付金額についてお答えいたします。  新型コロナ対策資金につきましては、事業者の事業継続と雇用の維持を第一に考え、昨年、令和二年三月に全国に先駆けて三年間実質無利子及び保証料負担なしの新型コロナウイルス感染症資金繰り対策資金という県独自の制度を設け、いち早く事業者の資金繰りを支援してまいったところでございます。  その後、国が自治体の制度融資を活用した実質無利子、保証料ゼロの資金繰り支援策を打ち出し、同じ令和二年五月にこのスキームでの資金の取扱いを開始いたしました。  これらの新型コロナ対策資金について、融資の最終実行期限であります令和三年五月三十一日時点において、信用保証協会の保証承諾ベースで累計九千七百十件、約一千八百億円の保証承諾実績がなされ、貸付けが実行されたところでございます。  以上でございます。 133 ◯古賀和浩委員=それでは、その対策資金の貸付けによりどのような効果があったのでしょうか。 134 ◯八谷産業労働部副部長=新型コロナ対策資金の貸付けの効果についてお答えいたします。  県として全国に先駆けて三年間実質無利子という思い切った金融支援を行い、いち早く事業者の資金繰りの円滑化を図ったことで、長引くコロナ禍であっても、令和三年のこれまで県内の企業倒産は低水準で推移をしており、金融支援の効果により倒産が抑えられているものというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 135 ◯古賀和浩委員=コロナで苦しんでいる中小の事業者にとって、貸付金は命をつなぐ神の手だったに違いありません。それによって倒産件数も非常に少ない状況であったと思います。  しかし、あくまでも税金を投入した貸付金であります。返済してもらわなければいけませんし、返済できずにコロナ後にそれが重荷になり、事業を畳まれるということは最悪の結果だと思っております。佐賀県は、貸し付けたところには丁寧な経営改善などの指導をすべきだというふうに思っております。よって、中小企業の経営改善についてお伺いいたします。  経営が厳しい中小企業者に対しては、返済計画の見直しなども対応しつつ、経営改善を進めていく必要があると考えておりますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。 136 ◯八谷産業労働部副部長=中小企業の経営改善についてお答えいたします。  現在、コロナ資金の半数以上の貸付けにおいて元金の返済が開始をされておりますが、現下の状況から事業者は今後の資金繰りに不安を抱いているというようなお声を聞いているところでございます。  こうしたことから県としては、改めて今年、令和三年三月十日付で県内金融機関及び信用保証協会に対しまして、次の二点について要請を行いました。  一点目は、中小企業者などから既往債務の返済計画の見直しの相談があった場合には、中小企業者等の実情に応じた柔軟かつ細やかな対応を図ること。そしてもう一点は、金融機関及び信用保証協会におきましては、融資先の事業者に対して金融面からの支援にとどまらず、定期的なモニタリング等による経営状況の把握や経営支援、財務アドバイスなどにより事業者の経営改善や事業発生の支援に努めることという、この二点について要請を行っているところでございます。  信用保証協会によりますと、返済計画の見直しについては、事業者から相談があった場合、ほぼ承諾しているというようなことでございまして、柔軟な対応がなされているものというふうに考えております。  また、事業者の経営改善への具体的な取組といたしまして、例えば、信用保証協会におきましては、貸付先の財務内容や金融機関との協議により支援対象先を選定し、専門家派遣による経営改善計画策定などを金融機関や中小企業再生支援協議会、その他の支援機関とも連携を図りながら取り組んでいるところでございます。  返済計画の見直しや事業者の経営改善についても、関係機関と連携を図りながら対応しておりまして、今後の資金繰りに不安がある事業者、経営改善をしたいが手法が分からない事業者などにおかれましては、金融機関や信用保証協会に御相談をいただきたいというふうに考えております。引き続き、県内事業者の経営状況を踏まえた金融支援に努めてまいります。  以上でございます。 137 ◯古賀和浩委員=私も議員になる前はサラリーマンをしておりました。こういう金融関係のお話はいっぱいあって、やはり貸し付けた後が一番重要だと言われて、そのようにして私は勉強してきたわけでございます。貸し付けた後にそういうアドバイス等、返済計画の見直し等を行っていって、一番苦しかったときに手を差し伸べるだけではなく、ずっと長く手を差し伸べていただきたいと思っております。  次に、貸付けの返済にもつながる事業についてお伺いします。  「新たなまちづくりチャレンジ支援事業」についてです。  まず、事業の目的についてですが、「新たなまちづくりチャレンジ支援事業」の目的は何でしょうか、お伺いします。 138 ◯八谷産業労働部副部長=「新たなまちづくりチャレンジ支援事業」の目的についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響により、大規模なイベントだけではなく、地域のお祭りや行事もほとんどが中止、延期をされ、観光客や来店客が大幅に減少しております。そうした中にあっても、地域コミュニティーの担い手として前を向いてまちづくりに取り組む商店街組織や商業者グループがおられます。  そのような商業者グループなどが知恵を出し合いながら企画された新たなまちづくりを支援することによって、感染対策を行いながら町に人の流れをつくり、地域の持続的なにぎわい創出を図ることを目的としてこの事業を実施したところでございます。 139 ◯古賀和浩委員=それでは、事業の内容についてであります。  この事業の内容でどのようなことを行ったのでしょうか。 140 ◯八谷産業労働部副部長=事業の内容についてお答えいたします。  この事業におきましては、商業者グループや商店街組織を対象に新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた新たなまちづくりのための取組を公募し、その取組に係る経費について、一グループ当たり百五十万円を上限に補助を行ったところでございます。  商店街組織をはじめ、飲食店、小売店、スポーツクラブなど様々な業種、業態の事業者グループから申請をいただきまして、合計で二十二の事業を採択し、補助を行ったところでございます。  取組の例を挙げますと、ウイズコロナ、アフターコロナにおいて新たなビジネスの在り方を提案する産業祭の開催ですとか、活気がなくなった繁華街において、日曜日の昼間に道路を歩行者天国にし、オープンテラスで飲食店営業をするイベントの実施、また、中心市街地のビル跡地をオープンスペースとして整備し、そこでグルメイベントを実施することにより地域のにぎわい創出を図る取組など、工夫を凝らした様々な取組が行われたところでございます。  以上でございます。 141 ◯古賀和浩委員=それでは、この事業によりどのような成果があったのでしょうか、お伺いします。 142 ◯八谷産業労働部副部長=事業の成果についてお答えいたします。  採択した二十二の事業全てが集客を伴うイベントではないものの、参加人数を集計できたものだけでも約四万七千人の参加者が確認できておりまして、町に人の流れを起こす取組の支援として、一定の成果があったものと考えているところでございます。  また、実施した事業者の声を御紹介いたしますと、ある飲食店の方からは、イベント実施により、店内での飲食売上げだけでなく、弁当の注文や配達の売上げが増えるなど、新たな営業スタイルの確立につながったですとか、百貨店のほうからは、適切な感染症対策を踏まえた上で、県内の生産者を支援するための物産展が開催できたと。また、飲食店のほうから、これまで連携が難しかった夜の飲食店同士の連携が深まった。また、製陶所──陶磁器を作られる製陶所ですけれども──からは、コロナ禍による来訪者減の中でのチャレンジだったが、新たな市場の開拓につながったなどといった声が聞かれたところでございます。  こうしたことから、集客の面だけにとどまらず、現状に即した新しいビジネスの創出や事業者間のつながりの構築といった成果もあったというふうに考えています。また、こうした取組というのは、一過性のもので終わるのではなく、後に続くということがやはり重要だろうと思っています。  令和二年度に取り組まれた事業者グループの中には、今年度にも同様の、これは屋台のイベントでしたけれども、同様のイベントに取り組まれているところも出てきましたし、一部報道によりますと、毎年の恒例イベントとしたいというようなお声も聞いているところでございます。我々としても、そのような取組が今後続いていくことに県として本当に心強く思っているところでございます。  コロナ禍の厳しい状況におきましても、町に人の流れを起こすために、民間事業者の方々や市町が知恵を絞り、様々な取組を行っておられるところでございます。地域の持続的なにぎわい創出のために、県といたしましても引き続き一緒に取り組んでまいります。  私からは以上です。 143 ◯古賀和浩委員=様々な事業をどんどん展開していっていただきたいと思います。  例えば、先日、唐津くんちが一日だけということであったんですけど開催されましたし、各地でイベントとかが少しずつ戻ってきております。こういう活気ある佐賀県を取り戻すために、佐賀県全域にこの事業を、できるだけ東部も西部も北部も南部も全ての地域に広げていって、佐賀県を元気にしていってもらいたいと思っております。よろしくお願いします。  それでは問いの四つ目、高校生の県内就職についてでございます。  佐賀県では、令和二年度から高校生の県内就職率六五%以上を目指す「プロジェクト65」に取り組まれてきました。新型コロナウイルス感染症の影響で就職により佐賀県を離れるリスクが高まっていて、地元就職の機運が高まる中にありますので、まさに今こそ県内就職を促進するチャンスであると考えております。  佐賀県は、高校生に県内企業の魅力を伝える取組や県内企業の採用力を高める取組など様々な取組がなされてきましたが、さらにこの取組を進めなければいけないと思っています。ただ、企業にとっては、せっかく採用できても、すぐに離職されてしまうと人材確保にはつながらないため、人材定着の取組も重要であります。県内企業の人材確保のためには、工夫を凝らしながら取組の拡充を行っていく必要があると考えます。  実は、私も家に高校二年生と三年生がいて、すみません、進学希望でありますけど、いずれ就職はしなければいけません。保護者として、この取組は非常に大事だと思っております。  次の点についてお伺いいたします。  「プロジェクト65」の取組についてです。  まず、学校におけるこの取組についてですが、生徒、保護者、教員に対してはどのような取組を行ってきたのでしょうか。 144 ◯藤崎産業人材課長=「プロジェクト65」の学校における取組についてお答えいたします。  県内就職の促進を図るためには、生徒、保護者、教員に、県内企業を具体的な進路選択先として認知していただくことが重要であると考えております。このため、教育委員会などの関係機関と一体となりまして、県内企業と学校とのつながりが深まるような取組を行ってまいりました。  具体的には、生徒が進路について考え始める二年生の十二月に合同企業説明会を開催、三年生の三者面談前の六月に保護者を対象とした合同企業説明会を開催するなど、就職活動のスケジュールに合わせて県内企業の情報や魅力を伝えるとともに、就職希望者が多い専門学科高校等に企業情報の収集や生徒からの就職相談対応を行う支援員を配置することで、県内企業と学校との関係づくりに取り組んでまいりました。  以上でございます。 145 ◯古賀和浩委員=それでは、県内企業に対する取組についてお伺いします。  県内企業に対してどのような取組を行ってきたのでしょうか。 146 ◯藤崎産業人材課長=県内企業に対する取組についてお答えいたします。  県内就職の促進を図るためには、雇用の受皿となる県内企業において積極的な採用を行っていただく必要がございます。このため、企業が求人票の作成に取りかかられる五月、採用選考が始まる九月に、佐賀労働局長、知事、教育長の連名で経済四団体に対し、新規高卒者の積極的な採用についての要請を行っております。  また、県内企業においては、大手企業と比べて人材獲得のスキル、ノウハウが十分ではない企業も多いことから、合同企業説明会の前に、自社の魅力を伝えるポイントを学ぶセミナーを開催、また、効果的に魅力が伝わる求人票の作成を支援、給与体系や人事評価制度の見直しを支援、こういったことを行いまして、県内企業の魅力の訴求力の向上や人事処遇の改善を支援するなど、採用力の向上を促してまいりました。  以上でございます。 147 ◯古賀和浩委員=様々な取組によって県内就職は、先ほどの質問でもありましたように、六五%を超えるというようなところで県内就職率が高くなってきましたけど、やはり先ほども言いましたが、その先が問題でございます。就職したはいいが、すぐに辞めてしまって県外に出ていってしまえば元も子もありません。若者の早期離職は問題になっていますが、高校や企業との連携で離職防止をするべきだと思っております。県内就職にこだわり過ぎ、自分の希望に沿わなかった就職や、募集内容と実態が違ったりすると、すぐに辞めてしまう可能性があります。  採用後の早期離職防止の取組についてお伺いします。早期離職防止のため、これまでどのように取り組んできたのでしょうか。 148 ◯藤崎産業人材課長=早期離職防止の取組についてお答えいたします。
     県内企業の人材確保のためには、新たな人材獲得と併せまして、人材の定着も重要であると考えております。特に中小企業においては、採用数が少ないこともあり、同期や年齢の近い社員が少なく、悩みの共有ができないケースも多くございます。また、メンター制度や職場研修など、若手社員をフォローする制度が十分ではない企業もあり、そうしたことが早期離職につながることも多いのではないかと考えております。  こうしたことから、対象を新入社員と企業の人事担当者とに分けまして、早期離職を防止し、若手社員の定着につなげるためのセミナーを開催してまいりました。新入社員を対象としたセミナーでは、社会人としての基本的なマナーとともに、コミュニケーション能力を高めるなどの内容で、グループワークを主体として実施したことで、他の企業の同世代の社員との交流にもつながっております。また、企業の人事担当者を対象としたセミナーでは、グループ討論により、参加企業の人材定着の課題や取組の共有を図るとともに、高校の教員にも参加していただき、今の若者の価値観や行動の特徴を共有してもらう機会となりました。  参加した新入社員からは、同世代の人と話すことができ、働く意欲が向上したといった声や、企業の人事担当者からは、他社の取組や先生の話を聞くことができ、大変貴重だったといった声が聞かれまして、セミナー後においても参加者同士の交流につながっているところでございます。  以上でございます。 149 ◯古賀和浩委員=それでは、これまでの取組の結果、高校生の県内就職率はどのようになっているのでしょうか。 150 ◯藤崎産業人材課長=高校生の県内就職率についてお答えいたします。  高校生の県内就職率については、近年五〇%台後半で推移していたことから、令和元年度から県内就職率六〇%以上を目指して「プロジェクト60」と銘打ち、教育委員会や商工団体など関係機関と一体となって、高校生や保護者を対象とした合同企業説明会の開催や学校への支援員の配置などの取組を開始してまいりました。その結果、令和二年三月卒では、八年ぶりに県内就職率は六〇%を超える六〇・七%と目標を達成したところでございます。  さらに、令和二年度からは、県内就職率六五%以上を目指して「プロジェクト65」と銘打ち、支援員の増員や、企業向けセミナーに教員を招き企業と学校との接点を増やすなど、取組の拡充や工夫を行ってまいりました。  その結果、令和三年三月卒では、速報値ではございますが、県内就職率は六五・四%と十八年ぶりに六五%を超える見込みとなっております。  以上でございます。 151 ◯古賀和浩委員=若者に佐賀県に残ってもらうということが、その後の佐賀県の問題解決につながることだと思います。先ほどから言われていました担い手不足とか、職人さん不足とか、技術者不足など、県内経済界の問題が、少しでもこのことでよくなればと思っております。  今後の取組についてお伺いします。  高校生の県内就職率のさらなる向上のため、今後どのように取り組んでいくのでしょうか、お伺いします。 152 ◯藤崎産業人材課長=今後の取組についてお答えいたします。  これまでも様々な工夫を凝らしながら県内就職促進に向けて取り組んできたところでございますが、県内就職率をさらに高めるためには、さらなる取組の強化が必要であると考えております。このため、令和三年度からは「プロジェクト65+」と銘打ち、県内就職率のさらなる向上を目指し、通勤圏外から高校生を採用する場合、住居手当等の住居支援制度を新設した県内企業に対する補助制度の新設ですとか、高校の教員に県内企業を訪問していただき、実際の職場環境を見学するとともに、企業の人事担当者等と意見交換を行う交流会の開催、また、学校に配置している支援員のさらなる拡充など、県内企業の採用力をさらに高めるとともに、学校と県内企業とのつながりをさらに深める取組を行っているところでございます。  一朝一夕には県内就職率を向上させることは難しいことでありますが、引き続き教育委員会等の関係機関とも緊密な連携を図りつつ、少しずつでも着実に佐賀県で夢をかなえることができる高校生が増えていくよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 153 ◯古賀和浩委員=この質問の打合せをするとき、「プロジェクト65+」と言われたので、令和四年は「プロジェクト85」ぐらいにしてはどうかとかいって、目標を高く持ったほうがいいと、私はそのくらいこの事業については期待をしております。頑張っていただきたいと思います。  それでは、最後の問いの五、企業誘致の推進についてです。  若者の県内就職を増やしていくために、若者を中心とした新たな雇用の場の創出を行っていくことが重要だと考えます。佐賀県以外からの企業誘致はそのための有効な手段だと考えます。新たな企業が来ることによって、県内企業にも経済的な効果が発生する可能性もあり、それによって新たな雇用創出の場ができて相乗効果を生み出す可能性があります。  私がサラリーマンのときに経験したんですけど、企業は本来一社だけで事業運営をできるわけではなく、グループ会社や関連企業、また企業間のネットワークだったり、その会社をつくるための建設とか維持や、また、社員を支えるインフラ整備など、地域全体で支えないと企業というのは存続できません。そのために、誘致のために相当時間も要しますが、いずれにせよ企業誘致をすることは地域づくりの重要な戦略であります。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  企業の誘致件数についてです。  近年、BCP対策や多様な働き方に対応するため企業の地方への進出が進んでいますが、最近五カ年の企業誘致の件数はどのようになっているのでしょうか。 154 ◯大久保企業立地課長=企業の誘致件数についてお答えいたします。  最近五カ年の誘致件数は、平成二十八年度二十四件、平成二十九年度二十件、平成三十年度三十九件、令和元年度二十一件、令和二年度二十三件となっており、五年間の合計は百二十七件となっております。  以上、お答えいたします。 155 ◯古賀和浩委員=それでは、誘致した企業の主な本社所在地についてお伺いします。主にどのような地域から来ていただいているのでしょうか。 156 ◯大久保企業立地課長=誘致企業の主な本社所在地についてお答えいたします。  過去五年間の誘致企業の主な本社所在地につきましては、東京都を中心とする首都圏が五十四件で約四二・五%、大阪府を中心とする関西・中京地域が十九件で一五%、あと、お隣の福岡県が十七件、一三・四%となっております。  以上、お答えいたします。 157 ◯古賀和浩委員=それでは、誘致企業の県内地域別の実績についてお伺いします。  若者の県内就職を進めていくためには、県内のどの地域にも雇用の場を創出していく必要があると考えますが、県内各地域への企業進出の状況についてはどのようになっているのでしょうか。 158 ◯大久保企業立地課長=誘致企業の県内地域別の実績についてお答えいたします。  過去五年間の誘致企業の県内の立地先につきましては、佐賀市、多久市、小城市、神埼市の中部地域で四十二件、鳥栖市、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町の東部地域で三十五件、唐津市、玄海町の北部地域で十六件、伊万里市、有田町の西部地域で二十三件、武雄市、鹿島市、嬉野市、大町町、江北町、白石町、太良町の南部地域で十一件となっております。県内各地域に企業が立地している状況でございます。  以上、お答えいたします。 159 ◯古賀和浩委員=県内各地、結構様々な地区に行っていますね。  それでは、誘致企業へのフォロー体制についてお伺いします。  県内に誘致した企業が地元に根づき、県内で発展していただくことで、さらなる雇用の場の創出や新たな企業誘致につなげていくことが必要だと考えております。  そこで、県としてはどのような取組を行っているのでしょうか。 160 ◯大久保企業立地課長=誘致企業へのフォロー体制についてお答えいたします。  誘致企業には、県内に定着し、さらなる事業拡大が図られるなど、地域とともに末永く発展してもらいたいと考えております。  そこで、市町とも緊密に連携しながら、定期的に企業訪問を行うなど、きめ細やかなフォローアップに努めているところでございます。また、企業の進出に携わった職員が、人事異動後も継続して企業のフォローアップを行う誘致企業永続支援員制度により、企業が相談しやすい体制を整備しているところです。こうした本県のフォロー体制につきましては、本県に進出するメリットとして評価され、新たな企業誘致にもつながっているところです。  今後とも、企業の県内定着や、さらなる発展、関連企業などの誘致につながるよう、きめ細やかなフォローアップに努めていきたいと考えております。  以上、お答えいたします。 161 ◯古賀和浩委員=それでは、今後の取組についてお伺いします。  佐賀県もそうなんですけど、ほかの県もやはり同じように企業誘致は積極的に行っております。佐賀県としてどのような思いで誘致したいと考えているのか、また逆に、佐賀県が企業側にどのように見られているのか、どのようにすればさらに誘致ができるのか、今後の取組が重要になってきます。井上委員の質問にもあったんですけど、そのための工場団地、流通団地などの産業団地の受皿も重要になってきます。  よって、企業誘致の推進に当たっては、地元や県内産業が活性化するような企業の誘致を行うとともに、企業の地方進出の契機を逃すことがないように、企業の受皿となる産業団地の確保を図っていく必要があると考えます。  今後、どのような思いで企業誘致に取り組んでいくのか、最後にお伺いいたします。 162 ◯光武企業立地総括監=今後の企業立地の取組についてお答えをいたします。  人口減少社会の中、活力ある地域をつくり、県勢を発展させていくためには、佐賀の未来を切り開く若者や子育て世代を増やしていくことが重要であると考えております。  そのための方策といたしまして、若者が県内で就職をしたいと思えるような企業を増やしていくこと、また、その魅力を伝えていくこと、それから、魅力ある多様な企業の県内立地、選ばれる地域になっていくということで、そうした企業が多く立地をすることによりまして、県内における仕事の選択肢を広げること、そうしたことがIターンやUターンを含めた若者や子育て世代の県外からの転入につながっていくこと、こうした取組を継続的に行っていくことが必要であると考えております。  また、将来にわたりまして県内産業を発展させていくためには、県内企業の成長とともに、新たな企業の立地による経済の好循環を生み出していくことが求められていると考えております。  そこで、若者や子育て世代のニーズを踏まえた魅力ある企業を増やしていくとともに、県内産業を牽引する企業や、県内企業の取引拡大など県内経済の活性化につながる企業を増やしていきたいと考えております。  こうしたことを念頭に置きまして、積極的に誘致活動を進めるに当たっては、特に大きな雇用を生み出す企業の誘致には企業の受皿となる産業団地が必要不可欠でございますが、現状では大幅に不足しているという状況にもございます。  企業の地方進出の機会を逃すことなく、本県への誘致に結びつけるため、市町ともしっかり連携をしながら戦略的に産業団地の整備を進めるとともに、多様な雇用の場の創出や、地域経済の活性化への貢献が期待できる魅力ある企業の誘致に向けまして、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 163 ◯岡口委員長=以上で農林水産商工常任委員会関係の質疑を終了します。  なお、十一月十六日は午前十時に委員会を再開し、地域交流・県土整備常任委員会関係の質疑を行います。  本日はこれにて散会いたします。御苦労さまでした。     午後二時二十六分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...